最近では歳が明ける前から恵方巻きの予約が始まるお店もあります。
なんだか、季節感のズレがあるなあと感じるのは私が歳を取ったからでしょうか(^^;
さて、節分がやってきます。
皆さん、今年の節分はどうされますか?
恵方巻きを食べて一年の無病息災を祈る、というのももちろん素敵なことです。
ですが、恵方巻き以外に節分に関係する食べ物や献立って何があるのでしょうか?
関東と関西では伝統料理が違うって知ってました?
そこで今回は、節分の献立や食べ物について東西の違いや伝統料理の意味や由来についてご紹介します。
節分に食べるのは恵方巻きだけじゃない!
節分に恵方を向いて恵方巻きを食べるというのが全国的に知られている風習です。
しかし、この風習もかつては関西地域でしか見られないものでした。
最初は「丸かぶり寿司」と呼ばれ、大阪の商人が江戸時代の終わりごろから商売繁盛や厄除けを願って食べ始めたのが最初だそうです。
これを全国的に広めたのがコンビニの「セブンイレブン」です。
「恵方巻き」という名前をつけたのもセブンイレブンが最初だったんですね。
関西地域でしかなかった風習が人気になり、今では全国のスーパーや百貨店でも売られるようになりました。
最近ではすごく豪華な恵方巻きも話題になるほど皆の注目を集めている存在でもあります。
しかし!
何も節分には恵方巻きを食べるのだ!!と決められているわけではありません。
地域によっては節分には必ず用意するよというのもがありますのでそれをご紹介していきたいと思います。
節分の食べ物・献立①「落花生」
節分に「鬼は外!福はうち!!」といって投げる福豆は大豆という人が多いと思います。
しかしこの豆まき、大豆ではなく落花生を巻くところもあります。
それは
- 北海道
- 東北地方
- 九州の一部(宮崎県や鹿児島県)
といった地域です。
最初は北海道で始められたと言われています。
なぜ落花生になったのかというと、北海道や東北地方では節分の時期はとても寒さの厳しい時期です。
家の外は真っ白な雪!というのも珍しくありません。
この雪の上に大豆をまいても色が同じで見えにくかったから落花生をまくようにした、という由来があります。
それと同じように、もう一つの由来があります。
それは落花生はカロリーが高いから、ということです。
寒さに負けない体を作るために、雪国の人たちは大豆よりもカロリーの高い落花生を食べたのではないかという理由です。
ちなみにその理由なら九州地方で落花生なのはどうして?と思ったことでしょう。
この理由は至極明確です。
それは落花生が特産品だからです。
地域の特産品に自信を持っているからこそ、節分でも食べるようになったんでしょうね。
節分の食べ物・献立②「いわし」
西日本地方では、節分に「柊鰯(ひいらぎいわし)」として魔よけを玄関に飾る風習があります。
これは焼いた鰯の頭を柊の枝に刺したものですね。
節分にやってくる鬼は鰯の臭いと柊の棘が苦手といわれていて鰯を焼く時にでる煙で鬼を追い払うともされています。
また鰯は漢字で書くと「魚へんに弱い」と書きます。
傷みやすい魚で弱い、ということを表しているんですが、この鰯を食べることで、体内の陰の気を消して無病息災を願うという意味が込められています。
そんな鰯、どんな献立にすると食べやすいのかというと「塩焼き」です。
作り方は簡単、フライパンで鰯を両面パリっと焼くだけです。
大根おろしとお醤油をつけて食べるとさっぱりしますよ。
節分の食べ物・献立③「くじら」
山口県では節分にくじら料理を食べるという風習があります。
何故節分にくじら?と思うかもしれません。
くじらと言えばとても大きな生き物です。
山口県の人は「大きいものを食べると縁起が良い」と言われてきたそうです。
くじらには志大きく、心を大きく、という意味があったりもします。
クジラ料理をたべて身も心も大きな人間になることを願って食べるんだそうです。
くじら料理のおすすめはやっぱり竜田揚げです。
山口県では恵方巻きの具として一緒に食べることもあるようですよ。
<材料>
- くじらの肉200g
- 料理酒・・・大さじ1
- しょうゆ・・・大さじ1
- みりん・・・大さじ1
- すりおろし生姜・・・小さじ1/2
- すりおろしニンニク・・・小さじ1/2
- 片栗粉・・・大さじ3
- 油
<作り方>
-
1.クジラ肉を一口大に切り、片栗粉以外の調味料を入れたジップ付き保存袋の中に入れて30分ほどつけておく
-
2.クジラ肉を取り出し、汁気をクッキングシートで拭き取り片栗粉をまぶす。
-
3.フライパンに油を高さ3センチほど入れ、170度で3分ほど揚げる。
これででき上がりです。
つけこむ時間が長くなればなるほど味がしっかり染み込みますよ。
節分の食べ物・献立④「そば」
節分と言えば「立春」の前日です。
立春は旧暦のお正月でもあります。
なので、大晦日になるんですよね、旧暦の。
ですから、年越し蕎麦の要領で節分にそばをたべると言う人も少なくありません。
これは地域は限られておらず、それぞれのおうちの風習、と言ったところですね。
節分の食べ物・献立⑤「汁」
節分には鬼をやっつけるために食べる汁ものがあります。
これは地域によってそれぞれあります。
- けんちん汁・・・関東地域
- しもつかれ・・・北関東、主に栃木県
- 鬼除け汁・・・関東地域
などです。
けんちん汁は、お肉や魚などを一切使っていない精進料理の1つですね。
関東地域では冬の様々な行事の時に食べられるものとして定着していました。
食物繊維が豊富に摂れ、胃に優しい料理の1つです。
けんちん汁は縁起物というよりも、体を温めるための食べ物として節分に定着していったようですね。
次に「しもつかれ」です。
この料理は栃木の郷土料理の1つです。
- 大根や人参などの根菜・・・適量
- 塩サケ(甘口)・・・1切れ
- 蒸し大豆・・・50g
- 油揚げ・・・1枚
- 酒粕・・・50g
- 水・・・200㏄
- 和風だし・・・小さじ1/3
- しょうゆ・・・小さじ1
- 塩・・・少々
<作り方>
-
1.大根やニンジンをみじん切りにする、あれば鬼おろしなどですりおろす。
-
2.油揚げは油抜きをし、キッチンペーパーで油をふき取り、1センチ角に切る。
-
3.鮭は骨を取り除き、1センチ角に切る。
-
4.鍋に大豆、にんじん、大根、水、和風だしを入れて中火で煮立たせる。
煮立ったらアクをとり油揚げを加えて蓋をして弱火で7分煮込む。
-
5.ボウルに酒かすと4の出汁をお玉いっぱい分入れて混ぜ、鍋に戻す。
-
6.水分が少なくなるまで弱火で3分煮込み、しょうゆ、塩を加えて味を調える。
元々は初午の日に稲荷神社へのお供え物として作られていたものです。
ですが、鬼が嫌う魚の頭や豆まきに使う大豆を使うので、節分の邪気祓いとして食べられるようになったとされています。
上の作り方では、鮭の切り身を使っていますが、本当は鮭の頭を入れるんだそうです。
最後に、鬼除け汁です。
これは豚汁の中に大豆も入れて食べるというものです。
大豆が入っているので、節分の魔よけになると言われ「節分汁」とも呼ばれています。
作り方は簡単で、豚肉と根菜をごま油で炒めてから煮込みます。
大豆は味噌を時入れる直前に加えると良いですね(^^)
節分の食べ物・献立⑥「こんにゃく」
四国地方では節分にこんにゃくを食べる習慣があります。
こんにゃくには「お腹の掃除をしてくれる」と言われるほど、腸活には欠かせない食材です。
お腹の中に溜まっている毒素をこんにゃくを食べることで外に出すということですね(^^)
節分の食べ物・献立⑦「福茶」
平安時代の僧である空也上人は疫病が流行ったので十一面観音を掘り、お供え物として福茶を出していました。
そしてそれを病人に飲ませたそうです。
すると病人たちは多くが回復したんだそうです。
この事から、病を体から追い払うということで福茶を飲む風習が広がりました。
福茶は
- 福豆・・・3粒ほど
- 塩コンブ・・・小さじ1
- 梅干し・・・1個
- お湯・・・100~150ml
で作ることができます。
梅干しは疲労回復の効果があり、喜ぶという意味のある昆布の入っている福茶。
ここに鬼が苦手な福豆も入っているのですから無敵な感じがしますね。
節分に縁起物を食べて一年の無病息災を
縁起を担ぐということには科学的な根拠は少ないのかもしれません。
しかし折角日本にはたくさんの素敵な季節の行事があるのですから、一緒に縁起物を食べて、一年の無病息災を願ってみてはいかがでしょうか?
以上「節分の食べ物・献立は関東と関西でどう違う伝統の料理の意味や由来についても」をお送りしました。