2016年メジャーデビューしたことで徐々に話題になってきているBURNOUT SYNDROMES。
同年11月にめざましテレビでは、中高生を中心に人気のバンドと紹介もされました。
その魅力は文学的な歌詞、爽やかさと鬱屈さを併せ持った青春感そしてスリーピースの限界に挑む探求心です。
今回は、そんな彼らの
i am Beethoven
私が初めてバーンアウトの曲を聴いたのがこの曲でした。
別のバンド目当てで行ったライブでしたが心を鷲掴みにされた曲です。
粗削りで荒々しい感じがかっこよく、転調・全員コーラス・言葉の連打といったバーンアウトらしさが詰め込まれた曲です。
ライブではベートーヴェンの『運命』からイントロが始まるのもまたかっこいいです!!
リフレインはもう鳴らない
全員がコーラスに入り、畳みかけるようなイントロは衝撃的でした。
ライブで見た時、ラストの掛け合いの後“アルコールランプを吹き消して”で三人の声が重なる瞬間に身震いしたのを覚えています。
メンバー全員がマイクを使い参加するということが当時の私には衝撃でした。
ライブでも鉄板の曲ですが原曲が廃盤なのが惜しまれます…。
『世界一美しい世界一美しい世界』にアレンジ版が収録されています。
ハログレア
ハログレアとは光が眩しく感じる現象のことで、光がぼやけたり強く感じたりします。
廃盤となっている『新世界方面』に収録されていました。
“「身の程を識らないといけないよ」……識らねぇよ”という歌詞の通り反骨精神を体現した曲だと思います。
“俺は自由に飛んでいたいんです”という歌詞は最近の曲にも通じるものがあるように感じます。
ライブでは少しレアですが大盛り上がりするかっこいい曲です。
神戸在住
石川さんによる駅のアナウンスから始まる珍しい曲です。
『世界一美しい世界一美しい世界』に収録されており、バーンアウトには珍しく同じテンポで終始します。
ドラムのリズムがずっと一緒なのはこの曲だけです。
今やバーンアウトらしさと言っても過言ではない単語の羅列で情景描写がされます。
というよりもほとんど情景描写しかされません。
主人公が夢の中で思い出を振り返る曲であるための演出かと思われます。
ちなみにメンバーに神戸在住者はもちろんいません(笑)
斜陽
i am Beethovenと共に収められていた曲です。
斜陽は「青春文學ロック」らしい青春の鬱屈とした部分が文学感に濃縮された曲だと思います。
“生まれてきたことをずっと後悔している”
“死ぬなら今だろう”
“絶望が色褪せて思い出に変わる前に”
といったように熊谷さんの経験を基にした暗い歌詞になっています。
しかし、決して追い込むような曲ではなく寄り添ってくれるような優しい曲だと思います。
“星を模したネオンで星の大半が消える”
という表現が実に熊谷さんらしい表現で好きな歌詞です。
エレベーターガール
初のフルアルバム『檸檬』に収録されたこの曲の“語り”の部分は、声優の「名塚 佳織」さんが担当されています。
その部分をライブでは廣瀬さんが担当するのですが、ドラムを叩きながら語りは相当難しいと思います。
正直聴いていてもずれてるんじゃ?と感じましたが熊谷さんが入ってくるとビシッと合っていたことがわかり、その心地よさと廣瀬さんのリズム感に震えました。
また、音源ではすぐに名塚さんの語りが入りますが、ライブでは石川さんのスラップなど見応え、聴き応え抜群のかっこいいイントロが付きます!!
サクラカノン
シングル『FLY HIGH!!』のカップリングであるこの曲ですが、バーンアウトとしては初の試みであるクラシックをモチーフにした曲です。
卒業式と言えばパッヘルベルのカノンだろうということで熊谷さんがモチーフに使ったそうなのですが、クラシックとの融合でこんなにいい曲が生まれるのかと驚かされました。
卒業を機に二度と会わないでしょうけど
というのが切ない曲です。
ここから檸檬のモデスト・ムソルグスキーの「プロムナード」に乗せて歌うという展開に繋がったのかと思うと面白いものがあります。
Sign
明確に“愛しているよ”と歌う熊谷さんには珍しい曲です。
フルアルバムである『檸檬』の最後にふさわしいメッセージ性の強い曲となっています。
“君の声紋が、指紋が、静脈が、虹彩が、その存在が明日への扉の施錠を解く認証(サイン)なんだよ”
という歌詞は、自己を肯定してくれるような暖かみがあります。
声紋・指紋・静脈・虹彩はどれもその人に固有のものであり、同時に認証にも用いられるものです。
「あなたはあなたしかいない、そのことに価値があるんだよ」
と言われているように私は感じます。
また、
“ラジオが報らせる死者の数はいつだって素数 割り切れるものじゃない”
という歌詞にハッとさせられました。
事件や事故、災害などで死者が出ても遠い場所のことのように感じますが、本来どうあっても割り切れるようなものじゃないという事を素数という単語で上手く表現されていると思います。
文學少女
インディーズとして最後の音源である『文學少女』の表題曲で、今やバーンアウトの定番曲ともなっています。
畳みかけるような言葉の羅列や青臭い青春感などバーンアウトらしさ全開の曲でこれを機に「青春文學ロック」と呼ばれるようになったきっかけで、文字が特徴的なMVも話題となりました。
ライブでは冒頭の“文學少女”を叫ぶのがお決まりになってきていますし、バーンアウトには珍しいコールアンドレスポンスのある曲でもあります。
ライブ向きの曲であり、ライブで楽しい曲です。
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