6月19日、「第153回芥川賞・直木賞」の候補作品が発表されました。
今年の話題作、ピース・又吉直樹の「火花」がノミネートされ、今年は例年以上に話題になっています。
しかし皆さん、芥川賞の歴代受賞者と作品などは覚えているでしょうか?
今話題なので気になっている人も多いかと思います。
というわけで今回は「
」と題しまして、歴代受賞者と受賞作品など、そして直木賞との違いもまとめたいと思います。そもそも芥川賞とは?直木賞との違いは?
まずは、芥川賞と直木賞について簡単に振り返りたいと思います。
芥川賞と直木賞は
- 芥川賞~芥川龍之介の名前を記念して、直木賞と同時に昭和19年に制定
- 直木賞~直樹三十五の名前を記念して、同じく昭和19年に制定
という内容の賞です。
ふたつの賞の主な違いは、対象となる作品が違うということです。
対象となる作品は
- 芥川賞~新聞、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品
- 直木賞~新聞、雑誌(同人雑誌を含む)あるいは単行本として発表された短編、長編の大衆文芸作品
という内容で、それぞれ最も優秀なものに呈する賞となっています。
どちらの賞も応募方式ではなく、有名作家の作品は対象外です。
芥川賞の歴代受賞者と作品一覧!
つぎは、芥川賞の歴代受賞者と作品一覧をみていきましょう。
これまでの芥川賞の歴代受賞者と作品は以下のとおりです。
第2回(1935年 下半期) なし なし
第3回(1936年 上半期) 小田嶽夫 城外
第3回(1936年 上半期) 鶴田知也 コシャマイン記
第4回(1936年 下半期) 石川淳 普賢
第4回(1936年 下半期) 冨澤有爲男 地中海
第5回(1937年 上半期) 尾崎一雄 暢氣眼鏡 他
第6回(1937年 下半期) 火野葦平 糞尿譚
第7回(1938年 上半期) 中山義秀 厚物咲
第8回(1938年 下半期) 中里恒子 乗合馬車 他
第9回(1939年 上半期) 半田義之 鶏騒動
第9回(1939年 上半期) 長谷健 あさくさの子供
第10回(1939年 下半期) 寒川光太郎 密獵者
第11回(1940年 上半期) なし なし
第12回(1940年 下半期) 櫻田常久 平賀源内
第13回(1941年 上半期) 多田裕計 長江デルタ
第14回(1941年 下半期) 芝木好子 青果の市
第15回(1942年 上半期) なし なし
第16回(1942年 下半期) 倉光俊夫 連絡員
第17回(1943年 上半期) 石塚喜久三 纏足の頃
第18回(1943年 下半期) 東野邊薫 和紙
第19回(1944年 上半期) 八木義徳 劉廣福
第19回(1944年 上半期) 小尾十三 登攀
第20回(1944年 下半期) 清水基吉 雁立
第21回(1949年 上半期) 小谷剛 確証
第21回(1949年 上半期) 由起しげ子 本の話
第22回(1949年 下半期) 井上靖 闘牛
第23回(1950年 上半期) 辻亮一 異邦人
第24回(1950年 下半期) なし なし
第25回(1951年 上半期) 安部公房 壁
第25回(1951年 上半期) 石川利光 春の草 他
第26回(1951年 下半期) 堀田善衛 広場の孤独・漢奸その他
第27回(1952年 上半期) なし なし
第28回(1952年 下半期) 五味康祐 喪神
第28回(1952年 下半期) 松本清張 或る「小倉日記」伝
第29回(1953年 上半期) 安岡章太郎 悪い仲間・陰気な愉しみ
第30回(1953年 下半期) なし なし
第31回(1954年 上半期) 吉行淳之介 驟雨・その他
第32回(1954年 下半期) 小島信夫 アメリカン・スクール
第32回(1954年 下半期) 庄野潤三 プールサイド小景
第33回(1955年 上半期) 遠藤周作 白い人
第34回(1955年 下半期) 石原慎太郎 太陽の季節
第35回(1956年 上半期) 近藤啓太郎 海人舟
第36回(1956年 下半期) なし なし
第37回(1957年 上半期) 菊村到 硫黄島
第38回(1957年 下半期) 開高健 裸の王様
第39回(1958年 上半期) 大江健三郎 飼育
第40回(1958年 下半期) なし なし
第41回(1959年 上半期) 斯波四郎 山塔
第42回(1959年 下半期) なし なし
第43回(1960年 上半期) 北杜夫 夜と霧の隅で
第44回(1960年 下半期) 三浦哲郎 忍ぶ川
第45回(1961年 上半期) なし なし
第46回(1961年 下半期) 宇能鴻一郎 鯨神
第47回(1962年 上半期) 川村晃 美談の出発
第48回(1962年 下半期) なし なし
第49回(1963年 上半期) 後藤紀一 少年の橋
第49回(1963年 上半期) 河野多惠子 蟹
第50回(1963年 下半期) 田辺聖子 感傷旅行センチメンタル・ジャーニィ
第51回(1964年 上半期) 柴田翔 されどわれらが日々──
第52回(1964年 下半期) なし なし
第53回(1965年 上半期) 津村節子 玩具
第54回(1965年 下半期) 高井有一 北の河
第55回(1966年 上半期) なし なし
第56回(1966年 下半期) 丸山健二 夏の流れ
第57回(1967年 上半期) 大城立裕 カクテル・パーティー
第58回(1967年 下半期) 柏原兵三 徳山道助の帰郷
第59回(1968年 上半期) 丸谷才一 年の残り
第59回(1968年 上半期) 大庭みな子 三匹の蟹
第60回(1968年 下半期) なし なし
第61回(1969年 上半期) 庄司薫 赤頭巾ちゃん気をつけて
第61回(1969年 上半期) 田久保英夫 深い河
第62回(1969年 下半期) 清岡卓行 アカシヤの大連
第63回(1970年 上半期) 吉田知子 無明長夜
第63回(1970年 上半期) 古山高麗雄 プレオー8の夜明け
第64回(1970年 下半期) 古井由吉 杳子
第65回(1971年 上半期) なし なし
第66回(1971年 下半期) 李恢成 砧をうつ女
第66回(1971年 下半期) 東峰夫 オキナワの少年
第67回(1972年 上半期) 畑山博 いつか汽笛を鳴らして
第67回(1972年 上半期) 宮原昭夫 誰かが触った
第68回(1972年 下半期) 山本道子 ベティさんの庭
第68回(1972年 下半期) 郷静子 れくいえむ
第69回(1973年 上半期) 三木卓 鶸
第70回(1973年 下半期) 野呂邦暢 草のつるぎ
第70回(1973年 下半期) 森敦 月山
第71回(1974年 上半期) なし なし
第72回(1974年 下半期) 日野啓三 あの夕陽
第72回(1974年 下半期) 阪田寛夫 土の器
第73回(1975年 上半期) 林京子 祭りの場
第74回(1975年 下半期) 中上健次 岬
第74回(1975年 下半期) 岡松和夫 志賀島
第75回(1976年 上半期) 村上龍 限りなく透明に近いブルー
第76回(1976年 下半期) なし なし
第77回(1977年 上半期) 三田誠広 僕って何
第77回(1977年 上半期) 池田満寿夫 エーゲ海に捧ぐ
第78回(1977年 下半期) 宮本輝 螢川
第78回(1977年 下半期) 高城修三 榧の木祭り
第79回(1978年 上半期) 高橋揆一郎 伸予
第79回(1978年 上半期) 高橋三千綱 九月の空
第80回(1978年 下半期) なし なし
第81回(1979年 上半期) 重兼芳子 やまあいの煙
第81回(1979年 上半期) 青野聰 愚者の夜
第82回(1979年 下半期) 森禮子 モッキングバードのいる町
第83回(1980年 上半期) なし なし
第84回(1980年 下半期) 尾辻克彦 父が消えた
第85回(1981年 上半期) 吉行理恵 小さな貴婦人
第86回(1981年 下半期) なし なし
第87回(1982年 上半期) なし なし
第88回(1982年 下半期) 加藤幸子 夢の壁
第88回(1982年 下半期) 唐十郎 佐川君からの手紙
第89回(1983年 上半期) なし なし
第90回(1983年 下半期) 笠原淳 杢二の世界
第90回(1983年 下半期) 高樹のぶ子 光抱く友よ
第91回(1984年 上半期) なし なし
第92回(1984年 下半期) 木崎さと子 青桐
第93回(1985年 上半期) なし なし
第94回(1985年 下半期) 米谷ふみ子 過越しの祭
第95回(1986年 上半期) なし なし
第96回(1986年 下半期) なし なし
第97回(1987年 上半期) 村田喜代子 鍋の中
第98回(1987年 下半期) 池澤夏樹 スティル・ライフ
第98回(1987年 下半期) 三浦清宏 長男の出家
第99回(1988年 上半期) 新井満 尋ね人の時間
第100回(1988年 下半期) 南木佳士 ダイヤモンドダスト
第100回(1988年 下半期) 李良枝 由煕
第101回(1989年 上半期) なし なし
第102回(1989年 下半期) 大岡玲 表層生活
第102回(1989年 下半期) 瀧澤美恵子 ネコババのいる町で
第103回(1990年 上半期) 辻原登 村の名前
第104回(1990年 下半期) 小川洋子 妊娠カレンダー
第105回(1991年 上半期) 辺見庸 自動起床装置
第105回(1991年 上半期) 荻野アンナ 背負い水
第106回(1991年 下半期) 松村栄子 至高聖所アバトーン
第107回(1992年 上半期) 藤原智美 運転士
第108回(1992年 下半期) 多和田葉子 犬婿入り
第109回(1993年 上半期) 吉目木晴彦 寂寥郊野
第110回(1993年 下半期) 奥泉光 石の来歴
第111回(1994年 上半期) 室井光広 おどるでく
第111回(1994年 上半期) 笙野頼子 タイムスリップ・コンビナート
第112回(1994年 下半期) なし なし
第113回(1995年 上半期) 保坂和志 この人の閾
第114回(1995年 下半期) 又吉栄喜 豚の報い
第115回(1996年 上半期) 川上弘美 蛇を踏む
第116回(1996年 下半期) 辻仁成 海峡の光
第116回(1996年 下半期) 柳美里 家族シネマ
第117回(1997年 上半期) 目取真俊 水滴
第118回(1997年 下半期) なし なし
第119回(1998年 上半期) 花村萬月 ゲルマニウムの夜
第119回(1998年 上半期) 藤沢周 ブエノスアイレス午前零時
第120回(1998年 下半期) 平野啓一郎 日蝕
第121回(1999年 上半期) なし なし
第122回(1999年 下半期) 玄月 蔭の棲みか
第122回(1999年 下半期) 藤野千夜 夏の約束
第123回(2000年 上半期) 町田康 きれぎれ
第123回(2000年 上半期) 松浦寿輝 花腐し
第124回(2000年 下半期) 青来有一 聖水
第124回(2000年 下半期) 堀江敏幸 熊の敷石
第125回(2001年 上半期) 玄侑宗久 中陰の花
第126回(2001年 下半期) 長嶋有 猛スピードで母は
第127回(2002年 上半期) 吉田修一 パーク・ライフ
第128回(2002年 下半期) 大道珠貴 しょっぱいドライブ
第129回(2003年 上半期) 吉村萬壱 ハリガネムシ
第130回(2003年 下半期) 金原ひとみ 蛇にピアス
第130回(2003年 下半期) 綿矢りさ 蹴りたい背中
第131回(2004年 上半期) モブ・ノリオ 介護入門
第132回(2004年 下半期) 阿部和重 グランド・フィナーレ
第133回(2005年 上半期) 中村文則 土の中の子供
第134回(2005年 下半期) 絲山秋子 沖で待つ
第135回(2006年 上半期) 伊藤たかみ 八月の路上に捨てる
第136回(2006年 下半期) 青山七恵 ひとり日和
第137回(2007年 上半期) 諏訪哲史 アサッテの人
第138回(2007年 下半期) 川上未映子 乳と卵
第139回(2008年 上半期) 楊逸 時が滲む朝
第140回(2008年 下半期) 津村記久子 ポトスライムの舟
第141回(2009年 上半期) 磯崎憲一郎 終の住処
第142回(2009年 下半期) なし なし
第143回(2010年 上半期) 赤染晶子 乙女の密告
第144回(2010年 下半期) 朝吹真理子 きことわ
第144回(2010年 下半期) 西村賢太 苦役列車
第145回(2011年 上半期) なし なし
第146回(2011年 下半期) 円城塔 道化師の蝶
第146回(2011年 下半期) 田中慎弥 共喰い
第147回(2012年 上半期) 鹿島田真希 冥土めぐり
第148回(2012年 下半期) 黒田夏子 abさんご
第149回(2013年 上半期) 藤野可織 爪と目
第150回(2013年 下半期) 小山田浩子 穴
第151回(2014年 上半期) 柴崎友香 春の庭
第152回(2014年 下半期) 小野正嗣 九年前の祈り
となっています。
こうして見ると受賞者なし、という年も多いですね。
最年少の受賞者は誰?
ここで芥川賞の最年少受賞者に注目してみましょう。
最年少受賞者をランキングにしてみました。
<芥川賞・最年少受賞者ランキング>
- 1位 綿矢りさ 19歳11ヶ月 2003年度
- 2位 金原ひとみ 20歳5ヶ月 2003年度
- 3位 丸山健二 23歳1ヶ月 1966年度
- 4位 石原慎太郎 23歳3ヶ月 1955年度
- 5位 大江健三朗 23歳5ヶ月 1958年度
ついでに最年長受賞者ランキングも載せておきます。
<芥川賞・最年長受賞者ランキング>
- 1位 黒田夏子 75歳9ヶ月 2012年度
- 2位 森敦 61歳11ヶ月 1973年度
- 3位 三浦清宏 57歳4ヶ月 1987年度
- 4位 米谷ふみ子 55歳2ヶ月 1985年度
- 5位 重兼芳子 52歳4ヶ月 1979年度
となっています。
最年少ランキング1位の綿矢りささんは「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した方です。
十代での異例の受賞ともあって当時すごく話題になりましたね。
受賞後もコンスタントに作品を発表されていて多くのファンを持つ作家さんです。
芸能人の受賞者は誰?
芥川賞の受賞者には芸能人の方もいます。
芸能人の芥川賞受賞者は
- 石原慎太郎
- 辻仁成
- 町田康
です。
辻仁成と町田康はミュージシャン。
石原慎太郎は過去に東京都知事をされていた方で、皆さん本業以外での受賞ですね。
多才ですね~(*^^*)
また、芸人で受賞した人はまだいないので、今回ピース・又吉が受賞すれば芸人初の受賞となりまた大きな話題を集めるのではないかと思われます。
今回ノミネートされたピース・又吉直樹の「火花」は掲載されていた文学界はとても売上があがったそうで、異例のスピードで単行本になったようです。
今も重版が続いていて芥川賞ノミネートによって今後ますます重版がかかるのではないかと言われています。
又吉さんすごいですね^^
ぜひこのまま芥川賞とって欲しいなと思います。
まだ読んでない方もこれを機に読んでみてはいかがでしょうか?
以上「芥川賞の歴代受賞者と作品一覧!最年少や芸能人なら誰?直木賞との違いも」をお送りしました。
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