スウェーデン・アカデミーによる2014年のノーベル文学賞受賞者の発表は10月9日。
そして、毎年のように作家の村上春樹氏が候補といて名前があがっています。
はたして今年こそ受賞はなるのか?
この記事では、
についてお送りします。
村上春樹はノーベル文学賞を受賞するか?
ノーベル賞の受賞者を予測する大手ブックメーカーによる2014年のノーベル文学賞の候補。
そこには何名かの作家の名前が並んでいます。
例えば、
- グギ・ワ・ジオンゴ(ケニア)
- スベトラーナ・アレクシエービッチ(ベラルーシ)
など。
そして・・・ハルキ・ムラカミ(日本)!
しかも、オッズは3倍。
他を抑えての第1位の候補となっているらしいです。
毎年ノーベル賞の受賞の時期になると、必ず名前があがる村上春樹。
はたして今年こそ、受賞がなるでしょうか?
村上春樹がノーベル賞を受賞できなかった理由とは?
しかし、これまでも最有力候補!などと言われながら受賞を逃してきました。
その理由とは何か?
(理由1)政治色が乏しい?
実は、この理由をウォール・ストリート・ジャーナル紙が書いているんですね。
と言っても紹介されたのは、中央大学文学部の宇佐美毅教授による研究。
過去の日本人文学賞受賞者(川端康成、大江健三郎)と村上春樹を比較した内容です。
宇佐美教授によると、
村上春樹の作品は政治的・社会的問題という要素がみられない
とのこと
さらに、
そのため、村上春樹の作品は強力なテーマや目的が欠けている
とも指摘しています。
これらが村上春樹がノーベル賞の受賞を逃していている理由とするのです。
確かに、大江健三郎作品のように
- 登場人物がはっきりとしたマイノリティ
- 特定のエネルギー問題などに作品内で言及する
のに比べると、村上春樹の作品はそのあたり漠然としている気はします。
もう少し大きくとらえられているというか。
また、作品も時期によって軸となる部分が違います。
個人的には、読み手によってどの時代の作品が好みかキッパリと別れる作家ではないかという気がしますね。
(理由2)年齢が若い?
また、村上春樹の年齢(2014年現在で65歳)を理由とする説もあります。
年齢が高い受賞候補のほうが優先されており、比較的若い村上春樹が後回しにされているというものです。
その点を考えると・・・グギ・ワ・ジオンゴは76歳ですからね。
村上春樹が不利になってしまいますね・・・。
そういえば、物理学賞のほうも赤松勇氏は80代でしたもんね。
⇒名城大学の赤崎勇氏がノーベル賞受賞!その両親と業績を生んだ松下電器とは?
⇒青色発光ダイオードの中村修二教授がノーベル賞受賞!国籍や200億円の裁判を考える
村上春樹の海外の高い評価とその理由
しかし、村上春樹の作品は海外でも多く翻訳出版されています。
また、エルサレム賞、フランツ・カフカ賞といった海外の賞も受賞しています。
実は、カフカ賞の受賞者はノーベル賞も受賞するケースがあるんですね。
では、実際に海外での評価は?
読者たちからはどんな風に高い評価を得ているのでしょうか。
個人的に、海外の読者がどんなふうに村上作品に触れているのかがよくわかるように思うコメントがこちら。
まるで登場人物の目や感情を通して、その世界を眺めてる感じがするんだ。
作品には彼なりの哲学がふんだんに盛り込まれ、結論などめったに出ない。
彼独自の世界を創造し、読者を非現実的ではあっても、彼にとってはリアリティのある世界を体験させてくれるんだ。うまく説明できないけど。1Q84とカフカが彼の傑作だよ。
(アメリカ)ムラカミは本当に独特だよ。
文章は美しく流れるようだし、登場人物は現実味があって身近に感じる。彼の作品を読むと主人公の頭の中に入った気持ちになる。
(イギリス)
これらのコメントから
- 登場人物に入り込みやすい
- 文章の読みやすさ
- 非現実さ
- 明確な結論を主張するものではない
などの点が、村上春樹の作品の特徴と受け止められているように感じます。
実際、村上春樹の作品が多く翻訳されている理由は、その日本語の表現が平易であることらしいです
。
確かに、決して難しすぎない日本語に、深遠な内容を含ませるというのが村上作品の醍醐味ではあると思います。
しかし、その分、あいまいさが大きくなってしまう点はあるんですけどね。
この点が、先ほど書いたノーベル賞を受賞しない理由と関連してくるかもですねえ・・・。
とにかく発表を待ちましょうか。
以上、村上春樹は2014年のノーベル文学賞を受賞するか?海外の高い評価とその理由でした。