可愛い息子3人の息子と、父。
見事なまでに、幸せな家庭を絵に描いたようなその写真。
しかし、その写真には多くの愛が溢れていました。
三人の子どもに囲まれて、満面の笑みを浮かべているのは、川崎フロンターレ所属、FWの大久保嘉人(おおくぼ よしと)さん。
ご自身のインスタグラムに投稿されたこの写真。
もう既にご存知の方も多いと思いますが、病気のため、「抗ガン剤治療」を受ける事になった奥様の、不安を和らげるため、息子さんたちと話し合い、皆で坊主にしたそうです。
大久保さんは
「一人じゃないよ、僕たちがいるよ」
……そんなメッセージを奥様に贈りたかったんでしょうね。
愛に溢れる、大久保ファミリーの温かさに、思わず涙しそうになります。
今回は、
「胞状奇胎」とは?
「胞状奇胎」
妊婦さんの400人~500人に1人と言う確率で、起こってしまう異常妊娠をこのように呼びます。
医学的には、「絨毛性疾患」の一つと言われています。
絨毛性疾患とは、妊娠時の胎盤を形成する、「絨毛細胞」(正式名称は”栄養膜細胞”または”トロホブラスト”)から発生する、病気の総称です。
400人~500人と言う数字を見てわかる通り、この病気に罹る確率は低めです。
そのせいか、知名度が低く、存在すら知らない人の方が多いと、言われています。
残念な事に、この病気を患ってしまうと、妊娠を継続する事は難しく、流産してしまう事となります。
更には、絨毛ガンになるリスクもある、怖い病気でもあります。
「胞状奇胎」は、卵子と精子が受精して出来た受精卵が、子宮の内膜に着床し、妊娠が成立すると、下記の2つに分かれます。
- 受精卵が胎児へと変化する「胎芽細胞」
- 胎盤や卵膜へと変化する「絨毛細胞」
この絨毛細胞のみが、異常な増殖を起こし、水泡状態になっていきます。
その水泡がやがては、子宮の中を覆い尽くしてしまう事を「胞状奇胎」と読んでいます。
顕微鏡で見ると、肉眼的に「ブドウの房」のように見えるため、「ぶどうっ子」や「ブドウ子」等とも呼ばれています。
「胞状奇胎」の原因は?
主な原因は、「染色体異常」と言われています。
そして胞状奇胎は、主に2種類存在します。
- 受精後に卵子の核が、「不活性化」、もしくは「消失」してしまい、精子の核のみが「分裂増殖」してしまう事が原因になる「全胞状奇胎」
- 正常な1つの卵子に、2つの精子が侵入してしまう事が原因になる「部分胞状奇胎」
40歳以上の高齢妊娠や、逆に20歳以下の若年妊娠で、発生率が高い傾向があると言われています。
どんな症状が起こる?発見方法は?
受精後に、受精卵が子宮の内膜に着床し、発達する時に異常が現れてきますので、妊娠初期である「2か月~4か月」頃から、少しずつ症状が出てきます。
症状の一例
- つわりが尋常じゃなく重い
- 茶色いおりものが出る
- 出血がある
- むくみ、蛋白尿、高血圧……などの妊娠高血圧症候群のような状態
- つわりが酷く、切迫流産の症状がある場合
上記のような症状が、特徴として挙げられています。
超音波の検査により、早期に異常が発見できるそうなので、上記の症状に覚えがある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
おなかの赤ちゃんへの影響
先ほどご説明した中にある通り、胞状奇胎になってしまうと、妊娠を継続する事は不可となります。
ただし、「全胞状奇胎」ではなく、「部分胞状奇胎」の場合、話は少し変わってきます。
「胎児の染色体が正常」かつ、「胞状奇胎と正常妊娠の双胎」と診断されれば、妊娠を継続する可能性はゼロではないとされます。
ですが、これも先ほどご説明したとおり、胞状奇胎が、絨毛ガンへ移行する可能性も否めません。
妊娠を継続できたとしても、大きなリスクを伴うため、慎重な医師の判断・経過観察が必要です。
治療法について
この病気の最善の治療法は、胞状奇胎を摘出する事。
つまり手術によって、摘出するのが、最善の策となります。
部分的な除去手術(子宮内容除去手術)
流産の時と同じ要領の手術となります。
胞状奇胎の部分だけを除去する事が出来ます。
この手術の場合、1回目の手術が終わったら、1週間ほど日を置いて、2~3回に分け、再度手術を行う場合もあります。
胞状奇胎の妊娠後は、絨毛ガンが発生する可能性が高いので、術後は長い期間をかけて、経過観察する必要があります。
子宮全摘出手術
40歳以上で、この病気を発症した場合は、若年妊娠よりも、胞状奇胎を除去した後に、「絨毛ガン」が発生するリスクがかなり高くなります。
もう妊娠を希望しない場合は、子宮ごと、胞状奇胎を摘出する手術を、行う場合もあります。
予防法はあるの?また妊娠する事は出来る?
この病気は、染色体異常が原因とされているため、予防法はありません。
何かを食べていれば良いとか、何かをすればい良い、と言うようなことはありません。
逆を言えば、何かをしたからと言ってなる訳でもありませんので、決してご自身を責めたりしないでください。
治療後、また妊娠を望むのであれば、通院し、しばらくの期間、管理・経過観察等がが必要となります。
さらに、その経過観察等が行われる期間、最低でも半年~1年間は、避妊が必要となります。
経過観察等の後、医師の許可が下りれば、また妊娠をする事は可能です。
なお、胞状奇胎は一度なったから、また罹ってしまう……と言うタイプの病気ではありません。
カラダやココロと向き合って、無理せず、お医者様に相談しながら、次の妊娠を目指しましょう。
母体へのリスク……そして「奇胎後hcg存続症」とは
大久保さんの奥さまも、流産してしまい、「胞状奇胎」であることが判明。
その為、手術での治療を試みましたが、その後の経過が芳しくなかったため、「奇胎後hcg存続症」と言う病気を発症してしまいました。
この「hcg存続症」とは、ガンの一歩手前の状態で、治療には抗がん剤を必要とします。
先のご説明の中であげた「絨毛がん」も、この「hcg存続症」も、殆どが治る「がん」「病気」と言われています。
抗がん剤や放射線治療が、効果をよく出してくれるそうなので、きちんと治療を受けていれば、問題ないと言われています。
知る事、早期発見が重要
いくら、治るガン、治る病気だと言っても、この病気について知らなければ、早期発見も難しくなります。
気付かないまま放置していたら、母体にも、大きなリスクを伴う事となります。
なので、妊婦さんには、この病気について、ぜひ知っておいて欲しいです。
ですが、みんながみんな罹る訳ではありません。
だから、必要以上に不安になる事は無いんです。
1つの知識として、頭の片隅に置いておいてくれれば……そう願うばかりです。
大久保さんの奥様も、どうか早く良くなるよう、祈りたいと思います。
(ライター:櫻宮ヨウ)
以上「大久保嘉人の嫁を襲った胞状奇胎とはどんな病気?原因と予後や治療方法!」
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