6月18日公開の『クリーピー偽りの隣人』。
映画『クリーピー偽りの隣人』は
「原作とあまりに違いすぎる!」
「"原案"といったほうが良いかもしれないけど面白い!」
との感想も多く見られます。
今回は、前川裕さんが書かれた
映画『クリーピー』の原作のあらすじ前半
主人公・高倉と野上の再会。物語の幕開け
大学で犯罪心理学を教えている大学教授の高倉は、高校時代の同窓会で警部の野上誠次と再会します。
高倉の周辺で事件が勃発!そして謎・・・なぜ野上が?
一方、高倉が最近移り住んだ家の隣には、西野という中年男性が娘・澪と二人で暮らしていました。
高倉の妻・康子は、西野の言動から「娘さんは虐待にあっているのでは」と気にし始めます。
ある夜、高倉家の正面にある田中家で火災が発生しました。
そしてなんと、その焼け跡から田中母娘の遺体と、野上警部の遺体が発見されます。
深まる謎。西野家では何が起こっていたのか?
ある日の夜中、高倉家に逃げ込んできた澪が「あの人は本当のお父さんじゃありません」と高倉に話しますが、
包丁を持って追いかけてきた西野に澪は捕まり、二人は行方不明になってしまいます。
以上が、原作「クリーピー」のあらすじの前半です。
この時点で
- 田中家の火災の原因は?
- そして、なぜ野上警部の遺体が田中家に?
- 西野家で起こっていたことは?
- 本当の父ではないなら、“西野”とは誰なのか?
など謎は深まるばかり。
後半では、これらの謎がさらに「日野市一家三人行方不明事件」の謎と絡み合ってくるのです。
映画『クリーピー』の原作のあらすじ後半!【ネタバレ注意】
奇妙な隣人“西野”の正体とは?そして見えてくる過去の事件の真相
高倉家の隣人であった西野は、実は矢島善雄という全く別の人物でした。
本当の西野や家族は、生き残りの澪以外の全員が矢島によって殺害されていて、矢島は西野になりすまして暮らしていたのです。
この状況は野上が依頼してきた「日野市一家三人行方不明」に似ており、実はこの事件の犯人も矢島でした。
そして実は矢島と異母兄弟であった野上が、矢島を追い詰めるために事件を追っていたのです。
警察は矢島を指名手配するが、矢島は一向に見つからないまま・・・
高倉vs矢島!しかし、矢島はまたも・・・
一方、高倉はゼミ生・燐子との関係を疑われ、燐子のストーカーである大和田という男から嫌がらせを受けていました。
高倉は事実を説明するため大和田を呼び出しますが、嫌がらせの真犯人は大和田ではありませんでした。
実は、真犯人は「大和田になりすました隣人・増田」だと判明します。
それだけではありません!
増田の正体・・・それは逃亡中の矢島でした。
二人は揉み合いになった末、矢島は大和田を刺して逃亡、またもや行方知れずになりました。
それから10年後・・・すべての真相が明らかに【ネタバレ注意!】
務めていた大学を辞め、地方の大学で働く高倉は、野上の元妻・河合園子と接触し、事件の真相を知ることになります。
野上を殺した犯人は、実は園子でした。
野上を殺した園子は矢島に相談し、矢島は無関係の田中一家を殺害して事件を隠蔽しました。
その事で園子は矢島に逆らえなくなり、逃亡中の矢島と澪を自宅に潜伏させていたのです。
そして、最後に逃亡してから一向に捕まらなかった矢島は、もうすでに園子の手によって殺害されていました。
また、現在澪は園子の養女になり、今はフランスにいるとのこと。
真実を知った高倉は、澪の幸せにためにも真実を黙認する事を決意した・・・。
映画「クリーピー」と原作との大きな違いとは?
登場人物の印象の違い
物語の中心をなす人物の印象や設定が、最大の違いと言えます。
ちょっと簡単にまとめてみましょう。
犯人・西野
原作では・・・口髭と眼鏡がトレードーマークのお洒落な男性。
映画では・・・ごく普通の風貌の男性(演じるのは香川照之)
隣家の娘・澪
原作では・・・短髪でボーイッシュ。
映画では・・・ウェーブがかったセミロングヘア。
警部・野上
原作では・・・46才の高倉と高校の同級生
映画では・・・高倉の刑事時代の部下(演じるのは東出昌大)
その他の違い
ほかにも行方不明事件の名前や年数が微妙に違っていたりと、微妙な違いがあるようです。
映画のオリジナル性を出すための演出と考えられますけど、こういう変更に必然性があるかどうか?という点が、原作ファンや映画ファンを納得させるかどうかにつながるんですよね。
映画「クリーピー」への期待と評価の声
原作ありの映画につきものの批判的な声もある一方、こんな期待や評価の声も多いですよ。
監督の演出に注目!
監督の黒沢清さんはこれまでにも、
『トウキョウソナタ』
『叫』
『アカルイミライ』
など、人物描写の微妙なリアルさと不気味さがストーリーを引っ張っていくような素晴らしい作品を作られています。
今回の『クリーピー偽りの隣人』でも監督ならではの素晴らしい結末が描かれているはず!
特に、原作では最後の最後のオチへの評価が二分されているので、監督の演出と主人公を演じる西島秀俊さんの演技に注目したいところです
注目の俳優陣!
特にラストの高倉の妻・康子演じる竹内結子の演技力には「圧巻」の声があります。
上にも書きましたが、原作でも評価が二分している結末やそこでの主人公の振る舞いに、観客が納得するかどうかは、実は「康子の告白」次第。
特に、その内容というより、たたずまいというところでしょう(人は非言語的な情報に大きく影響を受けますからね)。
非常に重要な役だというのは間違いありません。
また、個人的に一押しなのが、澪役を演じる藤野涼子さん。
「ソロモンの偽証」でデビューして本作が出演2度目の作品だそうです。
透明感のある容姿と、安定感のある演技力が本当に素晴らしいので、是非ご覧ください!
最後に
ここ数年ですっかりお馴染みとなった西島秀俊さん×香川照之さんのタッグ。
初共演は『ダブルフェイス』でヤクザに潜入する捜査官と、警察に潜入するヤクザとして共演しています。
その後も『MOZU』『流星ワゴン』など共演が続き、『クリーピー偽りの隣人』で5度目の共演だそうです!
お二人とも刑事役やチョイ悪な役が多い印象なので、「正直見飽きた?」とも思いましたが(笑)、本作での香川照之さんのサイコパスな演技が高評価だという話を聞いて楽しみです!
今年上映の映画では、サイコパスな登場人物が多く描かれています。
『ヒメアノ~ル』ではV6森田剛さん演じる、人の首を絞めて殺すことに性的興奮を感じる殺人犯。
『MARS〜ただ、君を愛してる〜』では窪田正孝さんが、主人公を狂気的に執着する切ない美青年。
『クリーピー偽りの隣人』の香川照之さんは、どんな演技で魅せてくれるのでしょうね(^^)/
以上「『クリーピー偽りの隣人』のあらすじ×ネタバレ!原作との違いは?」をお送りしました。
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