アメリカの大統領選挙が、注目を集めています。
それというのも、共和党の候補者、ドナルド・ジョン・トランプさんが快進撃を続けているからです。
歯に衣を着せない発言と、アメリカらしさを全面に押し出してくるトランプさんに、指示する人も多いようです。
では、
そして、 か。
今回は、この辺りを詳しく、そして分かりやすく説明したいと思います。
共和党指名争いを勝ち抜いたトランプ氏の略歴
ドナルド・ジョン・トランプさんは、政治家ではありませんでした。
不動産王として、その名前を轟かせていたんです。
実は、お父さんも不動産を経営していて、お父さんの跡を継いだ形になります。
ロナルド・レーガン大統領の時代に、景気回復の波に乗り、一気に事業を拡大、成功させ、今では巨万の富を築いています。
自分が所有、経営する不動産には、自分の「トランプ」という名前を冠しているものが多いです。
中でも、有名なのは「トランプタワー」
トランプタワー pic.twitter.com/7D6nVIKjRA
— Shin (@shinkora00) May 8, 2016
トランプさんが、共和党の指名候補者に確定してからというもの、観光スポットとして、大勢の人だかりができているようです。
普段はガラガラだった5番街のトランプタワーの前は人だかりになっていた。今や観光スポット pic.twitter.com/WYFi1Pj6bd
— 板越ジョージ (@georgeitagoshi) May 8, 2016
こういったあたりでも、トランプさんが注目されているのが良く分かります。
そしてその影響力というのも、すごいですね。
順風満帆に見えるトランプさんの人生ですが、実は1990年代初頭ごろには、事業をいくつか縮小するなどの危機を迎えています。
しかし、そんな危機もなんとか、乗り越え、見事カムバック!
2007年にはサブプライム問題以降の不況を受け、トランプさんの本丸であるトランプ・エンターテイメント・リゾーツ社が倒産します。
これがきっかけとなり、トランプさんは取締役を辞職するんですね。
そして2015年6月。
共和党からアメリカ合衆国大統領選挙に出馬することを表明したわけです。
いくたびの経営の困難を乗り越えて今のトランプさんがあるわけですね。
逆境に強いのが、今回の大統領選挙の勝因に大きく関わってきていますね。
トランプ大統領、実現の可能性は?
ここまでこれほどまでにアメリカの大統領選挙が注目されたことはあったでしょうか?
確かに、世界の中心とも言えるアメリカの大統領選挙というのは、毎回注目されます。
オバマ大統領が勝利した時も、ジョージブッシュ大統領が勝利した時も、成り行きを見守りました。
アメリカは日本とは政治のシステムが違いますので、国民が選ぶ大統領でもあります。
そして、任期の途中で大統領が変わることは、ほとんどありません。
なので、アメリカの大統領というのは日本にも、他の諸国にも影響をかなり与える選挙になります。
しかし、今回の共和党の指名選挙だけでも、これほどまでに注目を集めたことはなかったでしょう。
そしてトランプさんが出馬表明をしたときに、ここまでトランプさんが残るとは誰も予想できなったことでしょう。
こうなってくると、この勢いそのままに大統領になるんじゃないか?!という気持ちが出てきますよね。
では実際、どのくらいまで可能性があるのか、詳しく見ていきましょう。
大統領選挙を大きく左右するのは、スイング・ステイト
日本は、選挙区があっても選挙のたびにどの候補者が勝つか揺れます。
アメリカの大統領選挙では、各州で、共和党、民主党の指示が固まっている所がほとんどです。
- 民主党が圧倒的に強いところを「ブルー・ステイト」
- 共和党が圧倒的に強いところを「レッド・ステイト」
と言います。
前回のオバマ大統領の時の選挙をみてみると、ブルーステイトは15州とワシントンD.C.。
レッドステイトは22州あるんです。
これだけ見てみると、共和党の方が有利、つまりトランプさんが大統領になる可能性は高いんですね。
しかし、アメリカの州は全部で50あります。
そこにワシントンD.C.が加わって51となります。
なので、残りの13州はスイング・ステイトと呼ばれる所であって、共和党が勝利するか、民主党が勝利するか、開票しなくては分からないんです。
この残りの13州をいくつとるのかで大統領選挙が大きく変わってきます。
しかし、このスイング・ステイトで異変が起こっているというのです。
スイング・ステイトの得票数が上昇?
予備選挙で異変は起こっています。
今回、行われた予備選挙、しかもスイング・ステイトに限っての得票数を4年前と比べてみます。
すると、共和党は4年前よりも得票総数が57%上昇しています。
これに対して民主党は18%の減少となっています。
そのため、スイング・ステイトでこの状況が本戦まで続くと、一気にトランプさんが大統領就任する可能性が高まるということなんです。
この仮説には裏付けもあり、トランプさんが集会を行うと多くの支持者が集まります。
それに対して、民主党の候補者、クリントンさんが集会を行っても盛り上がらないというのです。
クリントンさんといえば、御主人も大統領として責務を果たされた生粋の政治家さんですよね。
それでも、アメリカでは、政治エリートという見方が強く、なかなか指示が集まらないというのです。
加えて電子メール問題もありましたので、ダブルパンチといったところですね。
トランプ氏勝利にはまだまだ高い壁がある
共和党の代表候補として指名されたトランプさんですが、まだまだ諸手をあげて大統領選挙に臨むことはできません。
今までお伝えしたように、スイング・ステイトでトランプさんが勝利すれば大統領への可能性は高まります。
しかし、この仮説にはある前提の条件があるんです。
それは、共和党がまとまることです。
トランプさんの快進撃が続くに連れて、取り沙汰されたのは共和党との不仲です。
共和党という看板を背負って出馬したにも関わらず、どういうこと?!ですよね。
共和党には、実は3つの派閥に分かれています。
それは、
- 産業界を代表する勢力
- リバタリアン
- 宗教保守派
です。
トランプさんはどこに所属しているのかというと、このどこにも所属していないんです。
大統領予備選挙でも、独自の主張を続けてきました。
なので、スイング・ステイトでは勝利が多いかもしれません。
もしかしたら、レッド・ステイトでの勝利が難しいのかもしれないんです。
ここで、共和党がまとまり、トランプさんを皆で後押ししよう!となると一気にトランプさんの大統領への道は開けます。
しかし現状はそんなに簡単ではありません。
共和党支持者の中にはトランプさんを指示しない人もたくさんいます。
さらに、共和党主流派の指示を得られる人物を副大統領候補として指名することができるのか?ということも重要になってきます。
共和党が一丸となってトランプさんを指示しないと、可能性は低いのかもしれません。
こういった意見が多いので、トランプさんの勢いはすごいが、最後はクリントンさんが勝つという予想をする人が多いようです。
トランプ大統領になったら日本への影響は?!
大胆な発言がトランプさんの魅力とも言われる所ですよね。
しかしこの発言や政策が世界中で大混乱を引き起こすとも言われているんです。
トランプさんの有名な選挙スローガンは
「アメリカを再び偉大に!」
です。
これに伴い、公約を大きく5つあげています。
それは
- 米中貿易の改革
- 退役軍人省の改革
- 税制改革
- 武器の所有権利
- 移民の改革
です。
この全ての公約に対して、ショッキングな発言がされていますよね。
ここには国内に向けてや、メキシコや中国への発言が多いです。
直接的に影響はないかもしれません。
しかし、直接的に影響がある発言もしているんですよ。
トランプ大統領就任、日本への影響その①「軍事費」
日本には個別にこんな発言をしているんです。
それは日米安保条約に関する発言です。
2016年3月26日のNewYorkTimesのインタビューに答えたトランプさんはこんな風に言っています。
「我々が攻撃されても日本は防衛する必要がない。
米国は巨額資金を日本の防衛に費やす余裕はない。」
何とも、強烈な発言ですよね。
つまり米軍基地の駐留経費を全額負担しなければ撤退すると主張しているんです。
これは韓国に対しても同じ要求をしています。
更に、日本や韓国が北朝鮮や中国に対抗するために核兵器を保有しても構わないとも言っているんです。
こうなってくると、日本はまたもや負担が増えることになります。
日本だって決して景気がいいとは言えません。
もし、トランプさんのこの政策が通るのなら大きな問題になりそうですね。
トランプ大統領就任、日本への影響その②「TPP」
これまで紆余曲折あったTPP。
トランプさんが大統領になることで、全て水泡に帰すかもしれません。
というのも、トランプさんは2016年5月6日に貿易関税についてこんな風に発言しているのです。
「もし日本がネブラスカ州の牛肉に38%の関税をかけるのであれば、我々も日本車に同率の関税を請求するつもりだ。」
現在、日本車の輸入の関税は2.5%で、多くを海外現地で生産しています。
中でもトップは北米なんです。
なので、日本車の関税が引き上げられてもあまり影響はないように思います。
しかしここから複雑なのはこれにTPPが絡んでくるということです。
TPPに関してはトランプさんは全く反対の姿勢をとっています。
「TPPはばかげた協定だ。
米国が不公平な競争にさらされ、(海外の)安価な労働力によって雇用を奪われ、経済が混乱する。」
と発言しています。
農作物などの関税は一律「0」にしてしまう!というのがトランプさんの考えのようですね。
ここの条件を巡っては再び審議になるでしょう。
そうなったときに困るのは、トランプさんはどこまで妥協してくるのか、ということです。
トランプさんの主張をそのまま受け入れる国は少ないでしょう。
そうなるとTPP交渉が暗礁に乗り上げ、もしかしたらなかったことになるかもしれないのです。
トランプ大統領就任、日本への影響その③「南シナ海」
現在、中国の軍事勢力が台頭してきている南シナ海に対してもトランプさんの発言はとまりません。
中国への政策には強靭な姿勢を示していて、
「南シナ海で中国の台頭を許しているのも、アメリカの経済が疲弊しているためだ。」
と展開しています。
これって日本にどう影響してくるのか?ということですが、とりあえず南シナ海の航行が安全になります。
現在は中国の関与が疑われる民兵集団がこの海域に出現するとのことですので、そういったことがなくなるはずです。
南シナ海の安全が確保されることで、経済効果もあがります。
日本にはいい影響があるのかもしれません。
しかし、それ以上に、もしかしたら中国とアメリカの関係が悪化することで日本と中国の関係にも亀裂が入ってくることでしょう。
トランプさんの発言に日本政府は懸念
これだけ力のある発言をしてきているトランプさんに対して、日本の政府は早くも懸念を示しています。
安保条約の件については韓国以外にもドイツなどの同盟国にも同じことを要求しています。
なので、この同盟国全てが全額負担するという条件を受け入れるとは思えません。
実現は不可能かと思います。
それでも、こんな風に発言しているのを聞くと、政治家としては困りますよね。
しかも核保有を認めるとも言っています。
この発言に日本は難色を示しています。
トランプさんが就任すると、たくさんの軋轢を生みそうです。
しかし、その可能性もある今、トランプさんとどうやって渡りあって行くのか・・・ということを今から準備しておかなくてはいけないのかもしれません。
大統領選挙の本選挙は11月に行われます。
とにかく、注目してこれからの世界情勢がどうなるのか、注視していかなくてはいけませんね。
以上「トランプ大統領実現の可能性と日本への影響は?」をお送りしました。
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