『金銭解雇』という言葉をご存知でしょうか?
今後のサラリーマンにとって、大きな影響を与えるであろう重大な事柄なんですが、まだ、あまり知らない人も多いですよね。
そこで、この記事では
を調査してみました。金銭解雇とは?
6月15日、政府の規制改革会議がまとめた答申案の全容が明らかになりました。
その中に、金銭解雇についての導入を検討することが明記されていました。
そして、6月16日、規制改革会議は、金銭解雇について、有識者会議を設置して検討するべきと、安倍晋三首相に答申しました。
答申に対して、安倍晋三首相は
提言をしっかりと実行していくことが私たちに課せられた使命だ
とコメントしています、
『金銭解雇』とは『解決金制度』とも呼ばます。
「労働者が申し出れば金銭補償で退職を受け入れる」という制度で、言ってみれば解雇の問題をお金で解決すると言いますか。
でも、それって現状とどう違うのか?ってわかりますかね?
金銭解雇制度による影響は?
例えば、労働者が裁判で不当解雇と認められた時、現在の制度の場合、裁判所が「労働者に職場に戻る」ことを命令します。
その時、職場に復帰するのは難しい場合、職場に戻る代わりに、労働者の権利の行使方法として「企業側から補償金を払ってもらい、契約を終了する」というのが『金銭解雇』になります。
また、現状においては、この補償金の金額が問題なんですね。
現在、労働者側が退職を選択した時は、ルールが明確ではないため、「受け取れる補償金が少額だったりする」ことが多くなっています。
そのようなことを防ぐ目的が『金銭解雇』という制度にはあるわけなんです
金銭解雇のルールの注意点
この制度で、間違えてはいけないのは、あくまでも「裁判後」に適用されるルールであるということです。
つまり、企業が「補償金を支払うから解雇する」ということが許されるわけではありません。
また、「申し立てができるのは労働者だけ」にすることで、解雇の乱用を防ぐ考えもあるようです。
確かにこのような縛りがなければ、お金さえ渡せば、誰でも辞めさせられるということですからね!
「首切り自由法案」なんて呼ばれていたりしますが、上記のルールが明示されるのであれば、自由に解雇をするなんてことはできなくなりますね。
金額やルールはどうなる?
厚生労働省によると、現在、解雇を巡った訴訟の90パーセントまでが金銭の支払いによって解決しているそうです。
そして、その金額は、解決方法によって大きく変わっていました。
解決金額の中央値で比較すると以下のようになります。
調停などの労働審判 110万円
「あっせん」(中央労働委員会が当事者に助言を与える) 15万6400円
以上のように、時間や金銭をどれくらいかけられるかによって金額が変わってしまっています。
しかも、かなり大きな差ですよね。
このような差が、法案によって減るかもしれません。
具体的な金額は?
ただ、そうなると差が減ることで一定の基準が出来た場合、どの程度の解決金額が支払われるのか?という点。
具体的な金額については、まだ決まっていませんが、あまりに低くすると意味がないので、高めに設定されるかと思われます。
最低でも、年収の2年分くらいはないと、厳しいかもしれませんね。
サラリーマンへの影響は?
もし、万が一、上記のような「申し立てができるのは労働者だけ」などの縛りが無い形で法案が成立した場合、サラリーマンにとってはかなり厳しい話になってきます。
辞めさせたい人間を金銭次第で辞めさせられるわけですからね・・・。
ただ、それなりの金を払ってでも辞めてほしいと思われていて、しかも、不当解雇されるっていうのは、その時点で、色々、無理な気がしますよね(^_^;)
会社には金銭の余裕があるにも関わらず辞めさせられるってことですから、よっぽど・・・かも?
しかし、おそらく解雇の乱用がされない制度には落ち着くことと思いますし、その場合は、サラリーマンにとってはプラスになる部分があります。
中小零細企業の場合、不当解雇で泣き寝入りするなんて、よくあることです。
が、そういうことも減る可能性があります。
また、そもそも、会社が辞めさせようとしている時点で、職場復帰は難しいでしょうし、不当解雇となった場合でも補償金額が決まっているわけではありません。
上記にあるように、方法によって金額もまちまちですし、費用もかかりますから、補償金額が分からないのに、裁判に踏み切るのも難しいでしょう
ただ、現状にはそういった面も残っているというのが事実。
ですから。
こんな時に、補償金額が決まっていれば、裁判に踏み出せる人も増えると思いますし、逆に、その流れを分かっていれば、不当解雇に踏み切る数も減るんじゃないでしょうか。
とはいえ、まだまだルール作りも不透明な部分のある「金銭解雇」ルール。
現状、弱い立場の中小企業の労働者が、少しでも助けられるルール作りをお願いしたいものですね。
以上「金銭解雇とは?法案成立なら金額やルールはどうなる?サラリーマンへの影響は?」をお送りしました。
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