9月7日に全容が明らかになった「日本型軽減税率制度」
しかし、この制度。そもそも何?という疑問の声がありますね。
そして、制度の内容がかなり面倒くさいなど、不満の声も聞こえてきています。
また、まだ不透明な部分が多いマイナンバー制度との併用にも批判の声が。
そこで、この記事では、
日本型軽減税率制度とは
2017年4月、消費税率が10%になるのに合わせて、財務省が検討しているのが「日本型軽減税率制度」
10%にあがる消費税のうち、上がった2%分を返そうという制度です。
ちなみに税率の軽減の対象となるのは、お酒以外の飲食料品。
ただし、上限は一人につき4000円になる見込みだそうです。
話だけ聞くと、お金が戻ってくるので、みんな喜びそうですが、かなり批判が集まっています。
それはなぜかというと、制度に問題があるからなんです。
そこで、批判が上がっているポイントを見ていきましょう。
「マイナンバーカードの使用」に対する批判
上にも書いたように、この日本型軽減税率制度、一旦、税率10%分を集めてから、2%分を給付します。
その買い物データを把握するのに、「マイナンバーカード」を店頭で提示するという方法を取っているのです。
この方法に対しての批判が多いようです。
個人情報の流出
マイナンバーは年金などの社会保障や税金に使用される番号です。
個人的な情報がかなり含まれるものなので、制度開始前から、流出などを恐れて批判があります。
一応、
- 使用の際には購入データのみ暗号化
- その他の個人情報は読み取らない
と説明されてはいますが、やはり不安はありますよね。
もちろん、マイナンバーの情報が流出しても、即、年金や税金の情報が外に漏れるわけではありません。
それぞれの情報はデータベースとしてそれぞれの管轄が保管しており、その情報を引き出すのにマイナンバーを使うという形です。
つまり、一般人のマイナンバーが流出しても、各管轄さえ、しっかりしていれば大丈夫ということになります。
ただ、実際、年金の個人情報の流出問題があったばかりですからね。
果たして、ちゃんと管理できるのか、疑問が残りますよね。
持ち歩きが面倒
マイナンバーカードを持ち歩かなければいけないし、買い物ごとに提出しなければいけないので、面倒くさいという声があります。
確かに、クレジットカードやポイントカードに加えて、持ち歩くなんて大変だという考えもわかります。
それに、高齢者の中にはそういうようなカードをそもそも持ち歩く習慣が無い人もいます。
そういう人にとっては、さらに面倒ですよね。
また、「持ち歩く」ということは「紛失」の可能性も大きくなるということですからね。
これに対し、財務大臣の麻生太郎は
カードを持ちたくなければ持って行かないでいい。
その代わり、その分の減税はないだけだ
と語っています。
この言い方も反感を買っているんですよね・・・。
莫大な費用
マイナンバーカードで買物情報を記憶する場合、当然、ICチップを読み取る端末が必要となります。
当然、新たに設置されるポイントセンターに接続するわけですから、すでに使っているものを、そのまま使うことは不可能です。
セキュリティも万全にしなければならないので、大手メーカーが販売したものでなければいけないようです。
うーん・・・。
そもそも、消費税というのは累進課税ではなく、逆進性が高い税率です。
ごく簡単に言えば、所得の低い人の方が負担が大きい税金ということです。
少々話が飛躍するかもしれませんが、そういう税金の税率を上げる際の措置なのに、結局、大手メーカーが儲かる仕組みというのは疑問が生まれるような・・・。
コンビニなどなら大量受注で安くあげられると思いますが、個人商店や小さいスーパーなんか大変ですよね。
一応、貸出の措置があるようですが、「経営の継続性がある店」のように条件がつくようですから、やはりハードルにはなってしまうんじゃないでしょうか?
カードを出すのが恥ずかしい?
現状、まだ決定していませんが、2%を給付される対象について「所得制限」を設ける可能性があります。
所得制限を入れるかどうかは、与党の意向を踏まえて年末までに決めるとのこと。
どういうことかと言うと、所得制限が行われる場合、低所得者じゃないと給付を受けられないということです。
こうなると、どうなるか。
モノを買った時にマイナンバーカードを提示した人は低所得者だとバレてしまいますよね。
これは、ちょっと恥ずかしいですよね。
「マイナンバーカード使用」以外の問題点
問題点:制度そのもの煩雑さ
マイナンバーカードの使用とは関係ない所でも、この制度には問題点があります。
そもそも、この「先払い分還付」という方法自体、世界的には珍しく、面倒な方法です。
最初から税率を軽減する「軽減税率」の方が、とうぜん簡単に決まっています。
そんなことは誰でもわかりますよね・・・(-_-;)
にも関わらず、「軽減税率」に踏み切れない理由の一つは、上限が決められず、税収が減ってしまうからと言われています。
もうわけがわかりません。
じゃあ、何のための制度なのか?
誰のための制度なのか?
選挙の時にはいい顔をしようとしたけど、上手くいかず、お粗末なプランに・・・というのは言いすぎでしょうか?
問題点:申請方法の煩雑さ
また、還付のために、インターネットを通じた申告などの手続きも必要なのですが、
- 面倒くさくてやらない人
- お年寄りなど還付手続きが出来ない人
- 還付手続きをするために出費が必要になってしまう人
などが生まれるのも目に見えていますよね。
となると、本来還付されるはずの金額が、消費者のもとに戻ることはない。
戻らなかったお金の行き先は・・・。
誰を助けたいんでしょうか・・・。
問題点:制度づくりにかかる費用
さらに、問題なのは、「軽減ポイント蓄積センター」という新たなお役所を設置するという点。
もちろんですが、いわゆる「軽減税率」にすれば、こんなものも必要ありません。
税負担が増える国民の税金を使って、天下り先を作ることになるのでは?と批判されていますが、もっとな話だとも思います。
まとめ
とにかく、ここまで見てきたようにわざわざ回りくどい方法を行うこの制度。
単純に考えて解決策1は、飲食料品など必要な物品に対して、最初から消費税を8%にする。
これです。
あるいは、「日本型軽減税率制度」という長い名前に隠れていますが、やっていることはハードル付きの「還付金制度」です。
であれば、申請の煩雑さなどを省いて、一律に還付金を配布する。
これが解決策2です。
このように制度そのものに解決すべき点がある上に、大量に税金を使う制度となるなど諸々の問題点。
繰り返しになりますが、「果たして誰のための制度なのか?」ちゃんと考えてほしいですよね。
以上「日本型軽減税率制度とは?マイナンバーと併用など批判のポイントまとめ」をお送りしました。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
マイナンバー制度とは?わかりやすくメリットとデメリットを解説!
マイナンバー制度はいつから?給与支払報告書の変更点もチェック!
iphone6sと6sPLUSの発売日や価格!新機能や防水の最新情報も
Netflix日本版の評判や感想!huluやU-NEXTと徹底比較!