女の子のお祭りであるひな祭り。
おじいちゃんおばあちゃんから初節句のお祝いに貰うところも多いと思います。
最近では可愛い雛人形も多いのでどんなのにしようか迷いますよね。
でも、よくよく考えると自分のひな人形って一年に一回しか飾らないし、そこまで傷んでもない。
このおひな様を娘に・・・っていうのって良くないことなんでしょうか?
自分の守り神にもなると言われているひな人形。
お下がりって縁起的にどうなの?
ということで、今回は雛人形のお下がりについて詳しくご紹介します。
もし、気になるのならこうやっておけば安心!という虎の巻きも一緒にご紹介しますね。
ひな人形は新品じゃないといけない・・・の?
雛人形の起源は平安時代にあります。
この時は、カタシロと呼ばれる人型の紙に自分の名前と誕生日を書いて川や海に流した「流しびな」が主流でした。
今のように、おひな様の形をしていたのではなく、陰陽師が使う人型のものを使っていたのが起源です。
このカタシロに込められた願いというのは
「自分の子どもが健やかに育ちますように」
というものです。
現代と違い、乳幼児の死亡率がとっても高かった昔は親にとって本当に強い願いだったんですね。
この時は川や海に流しますから、毎年新しいものを用意しておくのが普通だったんですね。
流すものから飾るものに
雛人形が今のように飾って楽しまれるようになったのは江戸時代に入ってからです。
今のように段飾りではなく、畳の上に毛氈を敷いて雛人形を飾っていました。
それまでも雛人形は貴族の娘の遊びとして使われていました。
しかしこうして桃の節句に飾って楽しむ、というのは江戸時代からだったんですね。
このため、雛人形は毎年買い替えるものから一生に一回買うものに変化し、装飾も華美になっていきました。
ですが、ひな人形の役割は昔から何も変わっていません。
娘を災いから守ってもらうための身代わりというのがひな人形の役割です。
ひな人形の中古やお下がりはNG?
ひな人形は生まれた子どもの災いを変わりに引き受けてくれるものです。
なのでその厄を引き受けているひな人形を自分の子どもへ・・・となると一緒に厄も受け継がせてしまうような気持ちになってしまうかもしれません。
厳密に言うとひな人形は1人一体ずつというのが基本です。
ですが、流しびなの時に風習が変化していったように、日本には「もったいない」という物を大切にする文化もあります。
何故、流しびなの形態が変化していったのでしょうか?
それは
「こんなにも綺麗なおひな様を川に流しちゃうなんてもったいない。」
という気持ちからですよね。
もし自分のひな人形の保存状態が良く、処分するのはもったいないなあと考えているのなら、自分の娘にお下がりとして・・・というのは全く問題ないと思います。
そうはいってもお下がりとか中古のお雛さまは気になる
やはりお下がりというのは、カミシロとしてのひな人形の役割を考えるとちょっと気になるという人もいると思います。
親や親戚のものなら誰のか分かるのでそこまで不安はないかもしれません。
しかし、中古品のお雛様となるとどんな人が使っていたのか気になる場合もありますよね。
そこで気になる場合はどうすれば良いのか?
まずはその方法についてご紹介していきましょう。
気になる場合は・・・その①「お祓い」
処分する時もそうですが、ひな人形に限らず人形には人の魂が宿ると古くから信じられてきました。
なので簡単に処分することはできず、神社でお祓いをしてもらう人も多いですね。
ひな人形にも魂が宿るとされています。
それは身代わりとして厄を祓ってくれていますのでそう考えるのが普通でしょう。
しかし少し考え方を変えてみると、中古品として出されているひな人形や自分の親戚のひな人形はこれまで立派にその人を守ってきた実績があります。
雛人形としての役割を見事全うしているんですよね。
いわばひな人形界ではエリートです。
そこで神社で一度お祓いをして貰うことで人形から魂を抜き出し、一旦「モノ」の状態に戻すということをしてみてはいかがでしょうか?
人形の中に宿っていた魂が抜けることで、新しい持ち主のひな人形として生まれ変わることができるのです。
お祓いをするというのは何も珍しいものではありませんよね。
新築の家を建てる時にもお祓いをする人もいますし、ランドセルのお祓いに行くという人もいるでしょう。
こういった事から何かを使い始める前に一度、お祓いをするというのは日本の文化の1つなのです。
気になる場合は・・・その②「リメイク」
生まれてくる娘のひな人形、となるとそのお母さん世代のひな人形を譲ることになります。
そうなるとやはりどうしても痛みやデザインが気になってしまうという人もいますよね。
7段飾りを持っているという人もいるでしょう。
しかし現代の住宅事情を考えると、7段飾りを飾るために一部屋開けることができるおうちというのは少ないと思います。
こうなってくるとコンパクトなおひな様が飾りやすいですよね。
7段飾りをリメイクして親王飾り(お内裏様とおひな様の2体)にするという人は結構います。
こうなると一気にお下がり感は少なくなり、新しいおひなさまとして迎えやすくもなりますね。
中古やお下がりは高くつくことも・・・
新品のひな人形というのは結構高い買い物です。
しかしそれと同時に、中古やお下がりのひな人形というのもまた結構高くついてしまうものかもしれません。
そこで今度は中古やお下がりのひな人形を使う場合のデメリットを少しご紹介します。
デメリット①「どうしても傷んでいる」
年数経過によってひな人形というのはどうしても傷んでしまったり、顔にしみがついてしまったりします。
これはどんなに手入れをしていても、住んでいる地域の天気環境などによってついてしまうこともあります。
また、結婚を機にひな人形を飾らなくなってしまうことも多いので、いざ何年かぶりに出してみると結構しみが・・・ということもあるのです。
しかし、ひな人形は修理を行うことができます。
パーツを変えたり、衣装を変えたりといったところです。
ですが気をつけなくてはいけないのは、この修理が結構かかる、ということです。
昔のものであればあるほど、今はもう手に入らないパーツであるとか。
どんなにクリーニングをしても取れないシミがあるとか・・・そういった部分がどうしてもあります。
専門的な修理ですので少し値段が張る場合もあるというのは考えておきたいですね。
デメリット②「初期費用がかかるかも」
ひな人形のお祓いというのは、どの神社でもしていることではありません。
人形供養をしている神社であれば、対応してくれるでしょうが、どこもかしこも・・・というわけにもいきません。
そうなってくると自分の家の近くにおの神社があれば良いですが、そうでない場合は交通費も掛かります。
これに合わせて祈祷料もありますね。
そして最後にひな人形の前に飾っている子どもの名前の入っている木札。
実は以前、私も木札が欲しくて人形屋さんに問い合わせたことがあります。
ひな人形を買えばほぼほぼ無料で付いてくる名入れの木札ですが、これは単品でお願いすると結構かかるのです。
私の場合、名入れの木札で1万円以上はした記憶があります。(ちょっと昔のことで若干記憶が曖昧ですが)
せめて木札ぐらい・・・と思いますがこちらにも結構費用がかかることになるかもしれませんね。
デメリット③「子どもが気に入ってくれないかも」
お下がりや中古のお雛様というのはどうしても最新のものではありません。
そうなるとやはりデザインが古くなってしまいます。
最近では現代風にアレンジされたおひな様がたくさん出ていますもんね。
こう考えると自分の娘がおひな様を気に入ってくれるとは限らないのです。
少し大きくなったときに
『〇〇ちゃんのお雛さまはすっごくかわいいのに!!』
なんて言ってしまうこともあるのです。
気に入ってくれないものは大切には扱えなくなります。
折角のお雛様が粗末に扱われるのはとても残念なことですね。
じゃあ一体どうすれば良いの?!というあなたに
新品のお雛様を買うのは結構値段が高いし、でも中古やお下がりのお雛様は不安。
こんな時はどうすれば良いのでしょうか?
ここで1つの提案があります。
それは今あるひな人形を処分してみてはいかがでしょうか?
供養に出す、ということではありません。
ひな人形も中古品として買い取ってくれる業者さんがあるんですよ。
保存状態の良いものなら思っていたよりも高く買い取ってくれるかもしれません。
このお金を元に新しいおひな様を買う・・・という方法を試してみてはいかがでしょうか?
以上「雛人形の中古やお下がりって大丈夫?縁起の良し悪しは?気になる場合はどうする?」をお送りしました。