ひな祭りと言えば、ちらし寿司にはまぐりのお吸い物!という人も多いでしょう。
はまぐりのお吸い物なんて普段の食卓にはなかなか並びませんから、特別感もひとしおです。
ですが、ちょっと待てよ。
なぜ、ひな祭りにはまぐりなんでしょうか?
セット品のように添えられているハマグリのお吸い物。
はまぐりには何かきっと由来や意味があるに違いない!
ということで今回は、はまぐりの由来や意味について詳しくご紹介します。
貞操って意味があるみたいなんですけど本当なのかな?なんてことも一緒にご紹介しますね。
ハマグリの意味って?
はまぐりには
- 女性の健康的な成長
- 女性の貞操
- 夫婦和合
- 良縁がいつまでも続きますように
といった意味があります。
ひな祭りに込められた願いは自分の娘の健やかな成長ですから、はまぐりを食べるのも納得できますね。
はまぐりに「貞操」って意味があるのはなんで?
ハマグリは二枚貝です。
二枚貝というのは、一度閉まったら二度と開かないということで、貞操の象徴としても扱われています。
現代では離婚も珍しくなくなりましたが、平安時代や江戸時代などの昔は、一度お嫁に行くとなかなか実家にはかえってこれないものでした。
むしろ、離縁されるとなると、何かしらお嫁さんの方に問題があり、旦那さんに愛想をつかされたんだと噂されたりもしていたのです。
こういった時代背景もあり、ハマグリの貞操という意味にかけて
『せめて自分の娘が本当に幸せだと感じられる人と添い遂げられますように』
という親の願いをかけてひな祭りに食べられるようになったのかもしれません。
ひな祭りにハマグリのお吸い物を食べるのはなんで?
ハマグリなどの貝類は春が旬のものが多いです。
一番ハマグリのおいしい時期ということですね。
これに加えてハマグリは昔から
『肺を潤し、胃を開き、腎を増し、酒を醒ます』
とされています。
栄養価も高く、体にも良い食材だったんですね。
ひな祭りにはまぐりのお吸い物を食べる由来は?
ひな祭りが日本に伝わって来たのは平安時代です。
この頃、貴族の娘たちの間で流行っていた遊びが「貝合わせ」という遊びでした。
ハマグリは二枚の貝殻からできていて、同一個体のもの以外は決してピッタリと合わないと言われています。
この事から、ハマグリの貝の内側に鳥や花などの絵を描いてピッタリ合う貝同士を合わせて遊んでいたのが「貝合わせ」ですね。
この遊びから、ハマグリは他のものではぴったりと合わさらないので夫婦和合という意味にも発展していきました。
そして江戸時代。
八代将軍、徳川吉宗はハマグリの謂われから婚礼の儀の祝い膳としてはまぐりのお吸い物を発案したとも言われています。
吉宗がいた享保の頃は「享保雛」なども出てくるほど武家の間ではひな祭りは当然の行事でした。
これに加えて古くから春の行事として「磯遊び」という風習もあったようです。
これは春に旬を迎える貝を取りに行く潮干狩りのようなものですね。
もちろんここにはハマグリもあったでしょうから、旬で縁起の良いものを食べるという日本ながらの行事食の1つとなっていったんでしょうね。
はまぐりのお吸い物じゃないとだめなの?
はまぐりが縁いの良いもので、親の願いのこもった食べ物だということは分かったと思います。
ですが、はまぐりを食べれば良いわけで、お吸い物である必要はないんじゃないの?
なんて思った人もいるのではないでしょうか?
これは、お吸い物の方がより縁起が良い食べ物ということになります。
というのも、はまぐりのお吸い物は「潮汁(うしおじる)」とも呼ばれるんですよね。
この「潮」というのは女の子の「初潮」とも繋がった意味となっています。
子孫を産み育てることが大切だった昔では、初潮を無事迎えられるまで成長できたということを大変喜びました。
こういったこともあって「女の子の健康的な成長を願う」という意味も込めて「潮汁」を飲んでいるんですね。
どんな時代になっても
ひな祭りは元々は中国で始まった風習であり、それが日本に伝わって独自の進化を遂げてきた季節の行事です。
色々と形は変えていますが、そこに流れる願いというのは
「自分の娘が健やかに成長しますように」
というものです。
この願いは時代が変わっても変わらない親の不変の願いなのでしょうね。
以上「ひな祭りのはまぐりのいわれって?貞操って意味?なぜなのか由来を解説」をお送りしました。