七福神の1人、えびすさん。
にこやかな顔で人気の高い神さまの1人でもありますね。
えびすさんを祀るお祭りがえびす講です。
今回は、えびす講の
- 行事
- 日程
- 由来
- お供え物
- 特別食べるものの意味
などについてご紹介したいと思います。
えびす講って何?
えびす講は恵比寿様を祀るお祭りです。
恵比寿様は七福神の中でも烏帽子をかぶり、右手にはつりざお、左手には鯛を抱えている「商売繁盛」の神さまです。
恵比寿さまは元々漁民の神さまでした。
開運守護や豊漁といったご利益があるとされていたんです。
しかし、商家でも商売繁盛の神として、農村では豊穣の神として信仰されるようになっていきました。
このため、えびす講は全国各地で行われるようになっていったんですね。
ですが、地域によっては今ではえびす講は行われない、行ったとしても盛んにではないところも多くなっています。
えびす講では家内安全や商売繁盛を願って
- 大判小判
- 鯛やだるま
などの縁起物を飾った
- 熊手
- 福笹(ふくざさ)
- 福箕(ふくみ)
が販売されます。
熊手や福笹が販売されているので「酉の市」と混同してしまう人もいます。
しかし、「酉の市」は大鳥神社の祭礼であり、えびす講とは何の関係もありません。
えびす講の日程はいつ?
全国で行われるえびす講ではありますが、日程は全国統一というわけではありません。
というのも、えびす講は神無月と深く関係があるからです。
神無月と言えば、全国の神さまが出雲大社に集まって話し合いをすると、されています。
しかし、各地に神さまがいなくなってしまっては困るということで、留守番を任される神さまも存在するのです。
その留守番の筆頭が恵比寿様なのです。
各地で留守番をしてくれている恵比寿さまに感謝し、五穀豊穣や商売祈願をお願いするというのがえびす講なのです。
なので、旧暦の10月に合わせてえびす講を行うとなっています。
しかし、各地では旧暦の10月20日を新暦にそのままあてはめて10月20日に行う地域。
旧暦と新暦の1カ月のずれを考慮して11月20日に行う地域。
「歳の市」と結び付けて12月20日に行う地域。
「十日えびす」として1月10日や1月15日に行う地域。
勤労感謝の日に行う地域。
4月に行う地域。
などなど。
本当に各地によって日程なども違っているんですね。
開催の日程などの違いがあるものの、えびす講の内容は全国同じです。
自分の地域+えびす講でチェックしてみると各地での開催を確認できて面白いかもしれませんね。
またえびす講という名前は千差万別で、地域によっては「べったら市」などというところもあります。
今案で自分の近くではえびす講なんて・・・と思っていても調べてみたら意外にも近くに存在していた!という嬉しい発見があるかもしれません。
誓文払いとの関係は?
えびす講と同じ日に京都で行われる「誓文払い」。
これは京都の商人などが京都市の八坂神社をお参りし、商売のためについたウソなどの罪を祓うものとされています。
商人が中心であることなどからえびす講と混同されやすいですね。
開催日も同じでありますし。
しかし、えびす講と誓文払いは全く別の行事です。
内容を見ても、商売繁盛を願うものと、商売のために犯してしまった罪を祓うものとなっています。
えびす講での行事食はある?
色々なお祭りでは、この日はこれを食べる!というものがあります。
一番有名なのは節分かもしれませんね。
えびす講にもあるのか?というと、必ずこれを!というものはありません。
しかし、えびす講なので恵比寿様にちなんで、お頭付きの鯛や葉付き大根を御供えするところが多いです。
これらのお供え物は調理されたものではなく、生のまま御供えすることろが多いですね。
また鯛の代わりに
- さんま
- 鯉
- フナ
- めだか
などをお供え物にするところもあるようです。
この他、その時期の旬の食べ物を御供えするというのが多いようですね。
お供え物が生なのはなんで?
えびす講に特化したものではありませんが、お供え物が何故
- お頭付きの鯛
- 葉付きの大根
といったナマモノなのでしょうか?
これはやはり神さまにささげるもの、という意味からです。
野菜も魚も自然が与えてくれた恵みです。
あるがままの姿で捧げるというのが神さまが一番喜んでくれると考えているからです。
えびす講以外の神事でも、できるだけあるがままの姿というのはこういった理由からなんでしょうね。
えびす講に食べるものってある?
恵比寿様を神棚に祀っている家庭ではえびす講を家庭で行うことも珍しくありません。
この時の御供えものはやはり、上で紹介したようなものを捧げます。
その時の旬の食材をそのままの姿で御供えものにするんですね。
そしてそなえた食材は、おいしく調理していただきます。
野菜などを捧げることが多いので、けんちん汁や煮物を食べるところも多いようです。
10月に行う地域であれば、新米を捧げるというところもあるようです。
お米を使って赤飯をいただくのも良いですね。
地域によって食べられるものも
京都ではえびす講の日に「笹に小判」というものが食べられています。
今日の🍳教室の献立の中に、「はんぺいと葱のお吸物」がありました。10月20日のえべっさんの日に、小判と笹に見立てたこれらの句材で頂くおばんざいです😋 http://t.co/wTUFBxR6k5 pic.twitter.com/yoB3hmXCLy
— こーやん(京都マニア日本茶インストラクター) (@ekyoto) October 21, 2013
これははんぺんを小判に、ねぎを笹に見立てた料理です。
商売繁盛を願うえびす講なので、小判というのは理解できますが、何故笹なのか?
笹は
「節目正しく真っすぐのび、弾力があって折れず 常に青々と茂る」
ということから商売繁盛のシンボルとなっていると言われています。
この二つを模したものを食べるということなんですね。
これと同じように関東地域ではべったら漬けを食べるところも多いですね。
日本橋のえびす講で誕生したとされているべったら漬け。
えびす講に関連する品を売っていたはずの市でそれをしのぐほどの人気になったのが「べったら漬け」だと言われています。
この事から、えびす講の時に「べったら市」として開催されているところもありますよ。
商売繁盛だけじゃない恵比寿様の魅力
恵比寿様は元は漁師の人たちの神さまだったというのは驚きました。
これまで商売繁盛の神様だと思っていたので(^^;
商売繁盛はもちろんですが、家内安全や五穀豊穣など恵比寿様の守備範囲(?)はとても広いですね。
神無月に出雲大社に行かなかった、というよりは残って各地の民のことを守ってくれている恵比寿様。
是非、えびす講で恵比寿さまのことをねぎらってあげてはいかがでしょうか?
以上「えびす講とはどんな行事で日程はいつからいつまで?由来やお供え物や食べ物の意味も解説」をお送りしました。