インフルエンザの合併症には、中耳炎・肺炎・熱性けいれん・インフルエンザ脳症などの合併症があります。
また、子どもや赤ちゃんの場合、特に注意したいのがインフルエンザ脳症。
小さければ小さいほど体力もありません。
また0ヶ月~10ヶ月の赤ちゃんであれば、状態を話すどころかなんとなく伝えることも難しくなってきます。
インフルエンザやインフルエンザ脳症の発症を予防するために、しっかりと予備知識を身につけておきましょう。
ということで、今回は
をお送りします。
赤ちゃんのインフルエンザの特徴や症状は?
そもそもインフルエンザ脳症とは?
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザによって引き起こされる重度の合併症の一つをいいます。
ウイルスが脳に入り込んで発症するというよりも、過剰な免疫作用が脳の組織を破壊してしまう自己免疫疾患です。
つまり、自分自身を守ろうとする体の働きが強すぎることが、かえって脳が悪く作用してしまう・・・というイメージです。
現在は、ガイドラインができ早期診断が可能となりました。
適正な治療が早い段階で行われるようになり、10年ほど前は30%ほどだった死亡率は年々減少。
しかし、現在も0%ではありません。
また、重度な後遺症が残る確率も30%→15%と減少しているものの軽視できる数字ではないようです。
インフルエンザ脳症の特徴
インフルエンザ脳症の特徴としては
- 患者のほとんどが幼児(おもに1~5歳)
- インフルエンザに罹った日から1~2日で発症
- 急な高熱のあと、数時間~1日で意識障害や全身のけいれんなどの神経症状
- 香港A型の流行時に発生率があがる
- 現在は、100人/年の子どもが発症している
- 日本での発症例が圧倒的に多く、欧米ではほとんど発症しない。
- 男女差はない。
という点があげられます。
インフルエンザ脳症の症状
先程も書いたとおり、インフルエンザ脳症は、インフルエンザ発症中に脳内で自己免疫疾患が発症します。
ということは、インフルエンザの症状に脳症の症状がプラスされてしまうということ。
赤ちゃんや子どもにとっては、想像を絶する苦しさだと思われます。
具体的には、インフルエンザの症状である
- 高熱(38℃以上)
- 咳、鼻水、全身の倦怠感、喉の痛み、筋肉痛、関節痛
さらに、
- けいれん
- 意識障害
- 異常行動(幻覚、幻視、おびえる、うわごと、ろれつがまわらないなど)
という症状が現れます。
赤ちゃんの場合はどんな症状が?
ここで気になるのが、子どもが赤ちゃんだった場合。
思うように話したり身体を動かすことが元々できませんので、「静かに寝ていると思っていたらグッタリしていた・・・」
なんてことがないよう、目を離さないようにしましょう。
そこで、メインとなる症状について、もう少し細かく見ておきたいと思います。
インフルエンザ脳症の3大症状は?
インフルエンザ脳症の3大症状について、実際にどのような症状に気をつけたら良いのでしょうか?
具体例をみてみましょう。
けいれん
- 筋肉がこわばりガクガクとした動き
ただし、1分程度~数分と時間は様々で、1回だけで終わる場合もあるとのこと。
意識障害
- 眠っているように見える。
- 呼びかけや刺激に反応しない。
ただし、軽い場合は
- ボーっとしている。
- すぐにウトウトしてしまう
などの場合もあります。
異常行動
- 突然わけの分からない事を話し出したり、会話が成立しない。
- 家族が目の前にいるのに見つけられない。
- 幻聴や幻視があり、何かにひどくおびえたりする。
- 目の焦点があわない
など
一般的にあげられる症状は、このような内容になっています。
赤ちゃんの場合、けいれんなど見ていればすぐにわかるものもありますが、意識障害や一部の行動異常など判断が難しいものもあります。
普段接している家族が「なんとなくおかしい」と感じたら、すぐに受診すべきでしょう。
いつも赤ちゃんと接しているお母さんお父さんの直感は、意外とあなどれないものですよ。
赤ちゃんの症状を見抜くためのポイント
(目安ですが)10ヶ月以前のお子さんの場合、言葉を話すことはまずできません。
また、2ヶ月、3ヶ月目の赤ちゃんの場合、自由に身体を動かすこともできないでしょう。
だからこそ、親や周囲の大人が注目するべきポイントをいくつかあげておきます。
- 機嫌が悪い
- 抱っこを嫌がる
- ミルクの飲みが悪い
- 呼吸が速い、浅い、苦しそう
- 顔色が蒼白い
- 激しく吐く、何度も吐く
これらの重篤化に繋がるサインを見逃さないよう注意が必要です。。
また、インフルエンザやインフルエンザ脳症は、急激に悪化します。
午前の受診でインフルエンザの診断が出ていて、お昼過ぎにはインフルエンザ脳症に・・・という可能性もゼロではありません。
静かに寝ていても定期的なチェックは欠かさないようにしましょう。
体調が万全でない場合、何度も受診するのは体力の消耗にもつながります。
気になる事があったらすぐにかかりつけ医に電話で相談し、指示を仰ぎましょう。
赤ちゃんのインフルエンザ脳症の予防法
インフルエンザ脳症だった場合に最も大事なのは早期診断・早期治療です。
不安を煽るわけではありませんが、対処が送れるほど重篤になる危険性はやはり増します。
だからこそ、お母さんや周囲の大人の「あれ?」という感覚は、とっても重要ですよ!
では、赤ちゃんのインフルエンザ脳症の予防法について触れておきましょう。
赤ちゃんのインフルエンザ脳症の予防について
インフルエンザ脳症の明確な予防法は、現在ありません。
タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬を早期に使用することで、インフルエンザの症状を軽減することはできますが、劇的に回復するというものではありません。
(赤ちゃん用には、ドライシロップが処方されるんだとか)
ということは、インフルエンザを予防することが最大の予防法ということになります。
家庭内の誰かがインフルエンザに罹ってしまったら、赤ちゃんとお世話担当者はインフルエンザを発症した家族と接触を絶ちましょう。
また、インフルエンザに罹ってしまった家族をケアする人は、しっかりとマスク・手洗いをして家庭内の二次感染をふせぎましょう。
赤ちゃんを含め、家族全員が一気にインフルエンザを発症!
もしくは、子どもと赤ちゃんは元気!でも両親がインフルエンザでダウン!
なんて事にならないよう、日頃からインフルエンザの予防に努めましょう(*^^*)
インフルエンザの予防については、こちらの記事でも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
以上、赤ちゃんのインフルエンザの症状! 10ヶ月以内の子供の脳症を予防しよう!でした。