菖蒲湯は「ゆず湯」に並ぶ日本で有名な薬湯です。
ゆず湯は冬至に入るので、菖蒲湯は夏至に・・・と思っている人も多いでしょう。
しかし、それ、実は間違っているんですよ。
そこで今回は菖蒲湯の
意味
- 由来
- 効能
- いつ入るのか?
- どこで買うのか?
- 入浴剤って使っても良いの?
などについてご紹介します。
菖蒲湯はいつ入る?
菖蒲とは、実は端午の節句の別名としても使われている植物です。
端午の節句は男の子の成長を喜ぶ節目ですよね。
この端午の節句の別名が菖蒲の節句とも言うのです。
(端午の節句についてはこちらの記事で詳しくご紹介しております。)
ゆず湯は冬至に入ることから、菖蒲湯は夏至に入ると考えている人もいます。
ですが、菖蒲湯は端午の節句に入ると良いとされているんです。
もちろん、他の日に入っても構いませんが、ゆず湯のように由来などを考えるのであれば端午の節句に入るのがよさそうですね。
菖蒲湯の意味や由来は?
菖蒲湯の由来は、端午の節句の由来と肉薄しています。
切っても切れないものですね。
起源は中国で、端午節に菖蒲を厄除けよして用いていました。
それが日本へ伝わったのが始まりとされています。
鎌倉時代になると武家社会になっていきここで菖蒲の読み方が「尚武(武を重んじること)」に繋がっていくとされ、端午の節句の縁起物とされていきました。
と、同時に中国では端午節には「蘭湯(らんとう)」と呼ばれる薬湯に入るという風習がありました。
これは蘭草(ふじばかま)の葉を入れて沸かすお風呂で、肩こりや神経痛、皮膚のかゆみなどに効果があるとされています。
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— 源氏藤袴会 (@gennjifujibaba) June 13, 2022
端午節の頃には伝染病や害虫被害などが多かったことから、古代中国の人は邪気払いとしても蘭湯に入っていたようです。
これももちろん日本に伝わりましたが、日本には肝心の蘭草が少ないのです。
そこで蘭草の代わりとなったのが、端午の節句の縁起物でもある「菖蒲」だったんですね。
菖蒲という植物は古くから独特な強い香りを放ち、厄除けや浄化作用があると信じられていました。
戦国時代には、端午の節句の前日には菖蒲を枕にして寝て、5月5日にはそれをお風呂に入れて菖蒲湯として楽しむ風習があったとされています。
しかしこの頃、菖蒲湯に入るという風習は、一般庶民には伝わっておらず、広く伝わっていったのは江戸時代と言われています。
菖蒲が持っている薬草の効果と縁起物としての効果。
この2つを願って菖蒲湯になっていったんですね。
菖蒲湯の効能は?
菖蒲湯には葉菖蒲を遣います。
こどもの日は「菖蒲湯」に入る方も多いと思うのでマメ知識を。
⭕お風呂に入れる「葉菖蒲」はショウブ科の植物。
⭕生け花に使う「花菖蒲」はアヤメ科の植物。じつは全然違う植物なんです。#菖蒲湯 #こどもの日 #マメ知識 pic.twitter.com/wIHP4wJuxf
— ハナラボノート (@hanalabonote) May 4, 2021
花がついている菖蒲は全く違う植物なんですね。
間違えないようにしたいです。
葉菖蒲には
- アザロン
- オイゲノール
- テルペン
- クレゾール
- アザリンアルデヒド
- パラザオン
- カラメオン
- カラメン
- セスキテルペン
という精油成分が多く含まれています。
これは腰痛や神経痛を和らげるとされています。
他にも血行促進や保湿、殺菌、疲労回復、内臓強化などの効果も期待できます。
葉の部分より根の部分に成分が多いようなので、折角菖蒲湯に入るのなら根の部分がついているものをゲットしたいですね。
ですが、市販されている菖蒲は根の部分が切り落とされていることがほとんどです。
どうしても効能を高めたいという人は、漢方薬局などで根を購入するようにしたいですね。
菖蒲はどこで買うの?
菖蒲は端午の節句の頃になると
- スーパー
- 花屋さん
- ホームセンター
- ネット通販
で見かけるようになります。
しかし、一度売り切れてしまうと再入荷はほとんどといってよいほどされません。
川辺などに自生している場合もありますが、採取はなかなか危険ですよね。
売り切れるのが心配、という人は早めに買って新聞紙を湿らせて日陰で保存しておくと一週間程度は大丈夫です。
冷蔵庫の野菜室に入れるのも良いですね。
もし売りきれていたら・・・
菖蒲湯にするための菖蒲が売り切れてしまった!
そんな時にはどうしたら良いのでしょうか?
この時は、こんな菖蒲はいかがでしょうか?
ネット通販をうまく利用していきたいですね。
菖蒲湯はどうやって作るの?
菖蒲湯の作り方には2通りあります。
2.菖蒲を細かく刻み、ネットなどの袋に入れ洗面器などの中に熱湯を注ぎ、10分たったらお風呂の中に液を入れる
どちらも少しポイントを抑えるとより効能が高まります。
菖蒲湯の効能を高める方法
菖蒲湯の効能を高めるには菖蒲の成分をしっかりとお湯にだせることが重要になります。
お風呂を先に沸かしてその上で菖蒲を入れるのではなく、最初から菖蒲を湯船に入れておいて給湯する方が良いのです。
沸かせる場合は、先に菖蒲を入れて水を張り、沸かすようにしましょう。
香りもよく立ちますよ。
そして先ほどご紹介した方法の②の方がより効能が高まります。
菖蒲の葉を刻むことで、切断面から精油成分が溶け出しやすくなっています。
しかし、刻んだ菖蒲を直接湯船に入れると後片付けが大変なことになりますので、必ずネットなどに入れましょう。
そして先に、菖蒲の成分を溶けださすために熱湯を注ぐと良いですね。
しばらくしてから湯船に熱湯を戻せばそれでOKなのです。
よもぎもついてたんだけど・・・
菖蒲湯をしようと、買うとよもぎもセットで売られていることが多いですね。
これはよもぎにも古くから厄除け効果があるとされていたためです。
よもぎには
- 保湿効果
- 結構促進
- 止血効果
- 殺菌効果
などが期待できます。
菖蒲と一緒にお湯に入れることで、相乗効果が期待できますよ。
誰でも入れるの?
菖蒲湯は誰が入っても安心かというと、実はそうでもないこともあります。
アレルギーが出てしまった・・・という人もいるようです。
特に赤ちゃん(生後3カ月未満)には菖蒲は刺激が強すぎるかもしれません。
そしてちょっと注意したいのが妊婦さんです。
菖蒲湯であれば妊婦さんは入っても問題ありません。
しかし、先ほどのように菖蒲によもぎがセットで入っている場合には注意が必要です。
というのも、ヨモギには陣痛を促進する作用があります。
よもぎがセットになっている場合は、菖蒲湯に入らないかよもぎを入れないで菖蒲湯を楽しむかどちらかにして下さいね。
入浴剤を使っても効果は同じ?
菖蒲湯に入りたいけど、菖蒲を用意するのがちょっと・・・という場合は、入浴剤を使うというのも良い方法です。
入浴剤の種類にもよりますが、100%天然素材などを使っている入浴剤なら効能は変わりません。
しっかり成分などを見極めて買うようにしたいですね。
菖蒲湯に使った後の菖蒲はどうしたら・・・?
菖蒲湯に使ったあとの菖蒲はそのままゴミとして捨てるという人が多いと思います。
ですが、この菖蒲。
乾燥させることで、芳香剤や虫よけとしても使うことができます。
天然素材なので、最後まで使ってみてはいかがでしょうか?
菖蒲は他にもこんな楽しみ方も・・・
菖蒲は端午の節句に厄除けなどを祈願して用いられる縁起物です。
なので、頭が痛ければ菖蒲をハチマキのように巻いたり、お腹が痛ければはらまきのように巻いたりもしていました。
子どもと一緒にお風呂に入った時に、鉢巻のようにしてあげると楽しみながら菖蒲湯に浸かれるかもしれませんね。
他にも、前日の夜に菖蒲を束ねて枕に敷いて寝たりすることもありました。
これは菖蒲の香りを楽しんで邪気払いをするという風習ですね。
様々な楽しみ方がありますので、今年の端午の節句はこうして堪能してみてはいかがでしょうか?
端午の節句は子どもの健やかな成長を喜ぶ日
菖蒲湯に入るのは端午の節句です。
もちろんこの日が風習なのですが、別にいつ入っても構いません。
効果や効能があなたの体質にぴったりなのだとしたら、改善するまでしばらく浸かっても良いでしょう。
季節のお風呂として菖蒲湯を堪能するのなら、端午の節句の意味などを子どもと話しながら楽しむのも良いですね(^^)
以上「菖蒲湯にはいつ入る?その意味や由来や効能!菖蒲はどこで買うの?入浴剤でも効果は同じ?」をお送りしました。