貰うと嬉しい御中元。
貰うだけなら諸手を上げて喜べますよね。
でも日本には「お礼」という文化があります。
お中元を貰ったら、何かで返す。これが定石ですね。
仕事の付き合いがある間は、なんとなく続けていたお中元。
もし、あなたが退職したらお中元はどうしたら良いのでしょうか?
辞めるタイミングが分からなくてズルズルと続いている・・・なんてこともあるかと思います。
そこで今回は、お中元をやめるタイミングやスマートにやめる方法!
お中元に添える手紙・失礼にならない手紙の書き方についても詳しくご紹介したいと思います。
お中元ってどうやったらやめられる?
お中元をやめるタイミングというのは
- 相手との関係が疎遠になった
- 自分が高齢になり贈るのが難しくなった
- 贈り先から断りの連絡がきた
というのが多いかと思います。
一番最後の『贈り先から断りの電話がきた』というのが自分にとっては一番気楽にやめることができるタイミングですよね。
あなたが「もうやめたいな」と感じていた時にこの連絡が来れば渡りに船です。
それ以外のタイミング、となると自分発信ですのでなかなか踏み出すのに勇気がいるものです。
ですが、少し考えてみましょう。
どちらのパターンも相手にとっても同じ状況であることが多いのです。
なので、もしあなたから「お中元やめたいんだけど」と連絡があったとしても、相手にとっての渡りに船になる可能性が高いのです。
そこまで恐れる必要はないのかもしれませんね。
相手との関係が疎遠になるってどんな時?
辞めどきの1つとして相手との関係が疎遠になった時というのがあると思います。
だけど、そもそも「疎遠になった」って思うのは自分の中の主観によるものが多いですよね。
自分の中では「お付き合いないなあ」と思っていてもあっちはそう思っていない、かもしれないのです。
そこで1つの目安として、お歳暮やお中元などを除いて連絡することが3年間なかった。
これが「疎遠になった」というシグナルとしてはどうでしょうか?
付き合いが疎遠になるタイミングとしては
- 引っ越し
- 転職
- 学校の卒業
- 退職
などがあります。
いずれも自分の環境が変化した瞬間が多いですね。
高齢って一体いつから?
「高齢になったから」という理由は辞めやすい理由の1つでもあります。
しかし、最近では高齢者も元気な人が多いのも事実。
「別に贈答品を買いに行くのに困るような年齢ではないけど・・・。」
と二の足を踏んでいる人もいると思います。
確かにネットなどを使えばお中元やお歳暮を買いに行くのは困るような問題ではありません。
ですが、高齢だから・・・と断る理由はそれだけではありませんよね。
- 金銭的な余裕がない
- 発送作業がしんどい
などなど。
もちろん両方とも心配ない、という人もいると思います。
ですが、高齢というのは角の立たない断り方の1つです。
一括で辞めることもできる魔法の言葉とも言えますので、お中元やお歳暮などはもう全部辞めたい!という場合は是非この方法で!ですね。
じゃあ、高齢だから・・・って理由をたてるのにはいつからが良いのでしょうか?
一般的に高齢者は『65歳から』となっています。
ちょうど退職もしているころ、と言えるでしょう。
しかし、65歳になる前に私たちには60歳という1つの区切りがあります。
そう『還暦』。
還暦というものを使えば、「還暦を迎え高齢になりましたので・・・。」という言葉も使えます。
断りの連絡にはなんて返す?
相手から断りの連絡が来た場合、それはどんな方法で来たのかによります。
- 暑中見舞いや年賀状
- 電話や会った時
- お中元に手紙が添えられていた
などが考えられますね。
電話や会った時に「もう辞めようと思うんだけど。」と言われたら「じゃあお言葉に甘えて」と返すと良いですね。
他にも、暑中見舞いや年賀状で辞退の連絡を貰うこともあります。
この時は、返事をするのか迷いますよね。
何も言わないのはちょっとという場合は同じように年賀状や暑中見舞いなどで一言書き添えるのが無難です。
返信の文例は、またあとで詳しくご紹介しますね。
相手との関係にもよるのでは?
お中元を贈る相手というのは
- 仕事のお付き合いがある人
- 恩師
- 近しい人
といったところではないでしょうか?
もし、あなたがお中元をやめたいと考えているのであれば、相手との関係性によって対応が違ってきます。
例えば、お中元をやめます、という伝え方も
- お手紙
- 電話
- 会った時
と変わってきますよね。
近しい人であれば、「もう今年からお中元やめようと思うんだけど、お互い様ってことにしない?」なんて提案もできますよね。
お中元はどうやってやめていくのが良いの?
お中元をやめよう!と思い立ったら、やめます!と宣言する・・・のはちょっと違う気がしますよね。
一体どうやってやめていけばよいのか?
やめ方についてまずはご紹介していきましょう。
やめると決めた時の年のお中元はどうするの?
お中元をやめたいなあと考えていて「もう今年からやめよう!」と思う人もいると思います。
この時は、その年のお中元から贈るのをやめます。
特に事前の連絡などは必要ありません。
自分が贈らなくなれば年賀状と同じように、返してくる人も少なくなるものです。
年賀状をやめたい場合はこちらの記事でご紹介しております。
年賀状も迷っている人は参考にして下さいね。
贈らない!と決め、行動するのは簡単なことです。
ただ困るのは、相手から贈ってこられた場合です。
この場合は、お礼状を書くようにしましょう。
そこで「お中元はそろそろやめます」という旨を書き添えると良いですね。
やめるのは来年から!と決めた時
急にお中元をやめるのは失礼になる気がする。
そう思う人も少なくありません。
個人的には、お中元をやめるのであればこの方法をおすすめします。
今回のお中元は贈り、そこに来年からは「お中元をやめます」という手紙を添えるという方法です。
この方法なら、自分にとっても相手にとっても気持ちの負担が少なくなります。
もし突然お中元を何の連絡もなくやめたら「なんだ、失礼な!」と怒る人もいるかもしれません。
お中元を贈り合う相手であれば、相手も準備をしているでしょうからもう少し早く言ってくれればこっちも準備しなかったのに、と思うかもしれません。
突然やめる、というよりはこちらの方がスマートな感じがしますね。
ちょっとずつフェードアウトしていく
個人的には一番おすすめしたくない方法かもしれません。
もちろんこの方法が悪いというわけではなく、もし私がこの方法をされたらすごく嫌だなと感じてしまうだけです。
その方法は
-
- 1.お中元をまず辞めてお歳暮だけにする
-
- 2.次の年のお歳暮の金額も少し下げる
-
- 3.その次の年のお歳暮を辞める
といった3段階です。
お中元を贈る相手にはお歳暮も贈っていることが多いですよね。
なので少しずつ距離を取っていくということですが・・・・。
この方法になると相手は混乱してしまうんじゃないかな?と思うからです。
お中元が来なかった・・・もう辞めるのかな?
あれ?お歳暮はきた。
あれ?今度のお歳暮は少し小さくなったような・・・。
ああ、お歳暮も来なくなった。
と最短でも3年間は混乱の中にいます。
こうするよりは、やはり手紙を添えて、もう来年からは・・・とした方が相手にとってもすっきりとしませんか?
お歳暮をやめたい時についてはこちらの記事でご紹介しております。
あわせてご覧ください。
お中元をやめる時の失礼にならない手紙の書き方は?
日本には「虚礼(きょれい)」という言葉があります。
これは
『見かけばかりで実質が伴わない礼儀・礼式』
という意味です。
お中元はお世話になった人への感謝を伝えるものです。
しかし、疎遠になってしまった人に、なんとなく習慣だから・・・とお中元を贈るのは『虚礼』にもあたります。
また近年では『虚礼廃止』ということを掲げている企業もあります。
なので、それぞれ相手との関係や自分の状況の違うパターンで失礼にならない手紙の書き方をご紹介したいと思います。
パターン①「自分が贈ったお中元で最後にする場合」
まずは、今回でお中元というお付き合いは最後にしますよ、と伝える時です。
品物に添えて贈ることになると思いますので、お店に行く前に用意しておかなくてはいけません。
『拝啓
本格的な夏を迎えましたが、お変わりございませんか?
ご無沙汰ばかりで何のお役にも立てませんのに、いつも気にかけていただき、まことにありがとうございます。
いつもお心遣いをいただいて大変恐縮しております。
こちらのご都合ばかりで心苦しいのですが、次回からは辞退させていただきます。
また、今後も末永くお付き合いのほど、お願い申しあげます。
略儀ながら、書面をもってお礼申し上げます。
猛暑が続きますので、どうかご自愛なさいますようお祈り申し上げます。』
そしてご自身が高齢の場合。
『〇〇様
本格的な夏を迎えましたが、お変わりありませんか?
ここ最近は、ご挨拶にも伺えずにおり心苦しいばかりですが、いつも気にかけていただき、まことにありがとうございます。
私も今年で、喜寿を迎えることになりました。
こちらの都合ばかりで心苦しいのですが、どうか今後はお気遣いなされませんよう、何卒ご理解のほどよろしくお願いします。
今度、ゆっくりとお会いできればと思っております。
時節柄、どうぞご自愛くださいませ。』
断りづらいから、と嘘をつく必要はありません。
失礼にならないようにということだけ気をつけるようにしましょう。
パターン②「相手からお中元が贈られてきた場合」
意図せず相手からお中元が贈られてきた場合、お礼状を出します。
そこでどんな風に書くのかというと
『〇〇様
炎暑の候、皆さんお変りなくお過ごしのことと思います。
このたびは結構なお品をお贈りいただき、ありがとうございます。
お心遣いに深く感謝申し上げます。
今後はこのようなお気遣いはなさいません用、お願い申しあげます。
お贈り頂きました〇〇は、家族でおいしく頂きたいと思います。
機会があればゆっくりとお会いできればと思っております。
まだまだ暑い日が続きます。
くれぐれもご自愛くださいませ。』
といった感じですね。
パターン③「暑中見舞いとして手紙を出す場合」
お礼状、というものを別で書くのではなく、暑中見舞いとして書くと言う人もいます。
この場合は、手紙ではなくハガキになりますね。
厳しい暑さの毎日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。〇〇様には色々とお世話になりながらも、ご無沙汰しておりまして申し訳ございません。
おかげさまで私ども一同、相変わらず元気に暮らしております。
この暑さはしばらく続きそうですね。
くれぐれもご自愛ください。』
この場合、お礼状という内容ではなく、他の暑中見舞いと同じ内容で大丈夫です。
パターン④「相手から辞退の連絡を貰った時」
相手から辞退の連絡を年賀状や暑中見舞い、お中元に添えられた手紙などで送られてきた場合です。
この時は、辞退の手紙に返礼を必ずしないといけない、というわけではありません。
しかし、これからもお付き合いを続けていきたいなと思っている相手なら返事を書くのも良いですね。
『耐えがたい暑さが続きますが、〇〇さんはお変わりないようで嬉しく思います。
こちらはエアコンの部屋から出ることができずに過ごしております。
さて、この度はご連絡ありがとうございました。
今度はお中元など控えさせていただきますが、お付き合いは変わらずお願いします。
それでは猛暑の折、どうかご自愛ください。』
これは暑中見舞いのパターンですね。
年賀状になると季節の挨拶を書きかえれば使うことができます。
『あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
ご連絡、ありがとうございました。
お言葉に甘えてお歳暮などは控えさせていただきます。
これからも変わらぬお付き合い宜しくお願いします。』
などですね。
もちろん、年賀状や暑中見舞い以外でも普通の手紙として返事を書くこともできます。
その時は時候の挨拶を変えるだけで内容はそんなに変わりません。
しかし、気をつけなくてはいけないのは「相手に対して謝らない」と言うことです。
相手からすれば、失礼なこと(お中元の辞退)をお願いしているのに、謝られてはどうも・・・となってしまいます。
しっかし辞退を受け止めて、でもこれからもよろしくね、って感じで返事を出せばよいと思いますよ。
ビジネスで相手から辞退の申し出があった場合
会社自体がお中元やお歳暮をしない、と決めている所もあります。
先ほどご紹介した「虚礼廃止」ですね。
この言葉は社訓に掲げている所もあるぐらいです。
なので、辞退の申し出があった場合は、言葉に気をつけて返信しなくてはいけません。
『拝啓
猛暑の候、貴社におきましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
先日は丁寧なご連絡を頂き畏れ入ります。
ご事情を踏まえ、今後は贈りもの等控えさせていただく所存ではございますが、今後ともお引き立てのほど、宜しくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げております。』
もし伝えてもお中元を貰ってしまったら
こちらが、お中元はやめます宣言をしてもお中元を頂くこともあります。
何度も何度もお礼状を出すというのは、「しつこい」と思われてしまうかもしれません。
そういった時は、こんな風にすると良いという方法がありますので、ご紹介しますね。
対処法①「倍返し」
貰ったものに対して返礼品を贈る時は、大抵の場合、貰ったものの半額となっています。
これは普通の場合です。
しかしこれとは別に貰った品物の倍以上のものを贈るという方法があります。
これは「お気持ちは十分伝わりましたよ。」という意味を込めたもので、倍返しというんだそうです。
ただ、この方法には欠点があります。
倍返し、といっても贈られた品物というのははっきりとした金額が分からなくなっています。
そして倍返しのことを知っている人がそこまでいないかもしれないのです。
なので少し分かりにくい伝え方になってしまいますね。
もし理解してくれなかったら、お中元のお返しが来た、と受け取られズルズルと続いてしまうかもしれません。
対処法②「断り状と一緒に返送する」
立場上受け取れなかったり、お中元がいつまでも続く、という時には頂いたお中元を送り返すという方法があります。
このような時は、包装を開けずに上から更に包装を重ねて断り状を添えて返送します。
品物だけを返送するのは失礼にあたりますので、必ず断り状を添えるようにして下さい。
どんな風に書くのかというと
『拝啓
盛夏の候、ますますご清祥のことと心よりお喜び致します。
このたびは、お心づくしのお中元の品をお贈りいただきありがとうございます。
ご厚意を頂きながら心苦しいのですが、ご贈答は辞退させていただいております。
なにとぞ、ご理解のほどよろしくお願いします。
頂きました品はお気持ちだけ頂戴しまして、はなはだ失礼とは存じますがご返送させていただきました。
今後はどうかお気遣いをなされませぬように、お願い申し上げます。
誠に勝手なことではありますが、どうかお気を悪くなさらないでくださいませ。
まずは、お礼かたがたお詫び申し上げます。
敬具』
といった感じです。
気持ちだけ受け取って、感謝していますと伝えれるようにしておきましょう。
始めたことをやめるのは勇気のいること
お中元というのは、始めるとズルズルと続いてしまうものです。
しかしライフステージが変わると疎遠になってしまう人もいて、「いつまですれば良いのか?」と悩んでしまうものでもあります。
ですが、それは相手にとっても同じことかもしれません。
感謝をしっかりして、これまでありがとうございました。
でもこれからも変わらないお付き合いをしていきましょうね、ということを伝えていけると良いですね。
以上「お中元をやめたい…!やめるタイミングは?失礼にならない手紙の書き方や例文についても」をお送りしました。